富山県と富山県建築士会は21日、富山市の富山県民会館で、2024年度「建築士免許交付式」を開いた。今年度の試験合格者のうち、登録申請を行った新建築士(一級7人、二級45人)や来賓らが参加した。
冒頭、県建築士会の西野晴仁会長があいさつに立ち、「最近は省エネ法などの改正があり、試験の内容も難しくなっている。建築士になることで、社会貢献ができる立場になる。この機会に建築士会に入ることで、非常に早く、正確な情報が得られるようになる。建築士の品位と技術向上を大切にして仕事に励んでほしい。これからの皆さんの大活躍を祈念したい」と話した。
合格者の氏名を紹介後、新建築士を代表し、二級の吉川実来氏、一級の向川航平氏に西野会長から免許証明書がそれぞれ手渡された。
続いて、県土木部参事で建築住宅課長の大西哲憲氏が、「建築士制度は建築物の設計、工事監理業務の適正化を図り、建築物の質の向上に寄与することを目的とした資格制度。一定規模の建築物の設計、工事監理業務を独占する一方、発注者や社会からの様々な要求に応じて良好な住環境を作り出すことが求められる。建築のプロとして、コンプライアンスの意識を高く持ち、社会的な信頼に応えることが重要」と述べた上で、「昨今の建築業界では耐震化や空き家、省エネ対策など大きな課題が山積している。建築士として、これらの課題へ積極的に取り組み、安全・安心で快適な住環境を創出していただき、責任を持って業務に当たるようお願いしたい」とあいさつした。
県建築住宅課の吉野博行主幹が新建築士の心構え、関係法令といった今後の注意事項を解説。県建築士会研修委員会の川合光行委員長が、建築士会への入会案内などを説明した。その後、オニヅカセッケイブ共同代表の鬼塚来未氏が、「地方で早期独立をして感じること、考えること」を演題に講演した。