能登半島地震や奥能登豪雨による被害で通行止めとなっている輪島市内の県道珠洲里線及び輪島浦上線、市道まがき線おさよトンネルの本復旧の進め方について、北陸地方整備局能登復興事務所、石川県、輪島市が話し合う「輪島地区道路復旧・復興促進協議会」が21日、同市役所で開かれ、事業を担当する県が復旧方針を説明した。
地震や豪雨により斜面崩壊、土砂堆積が多数発生している県道珠洲里線について県側は「現道復旧案」より「別ルート案」が工期、コスト面などから優位とし、宇出津町野線交差部より西側の「西側工区」は金蔵川西線と柳田里線を代替道路として活用し、一部部区間をトンネル構造とする。
「東側工区」は、現道復旧案ではコストや工期がかかるため北側もしくは南側へルートを振り替えることで地滑りの影響の最小化、工期、コストの縮減が図れるとして今後ルートを検討する。
西側工区と東側工区に挟まれた「中間工区」の復旧は、道路と並行して流れる町野川・鈴屋川の復旧工事(直轄権限代行)にあたる国土交通省との調整を進めるという。
地震により上部斜面もろとも道路部(延長約160メートル)が海側へ崩落した輪島浦上線(同市鵜入町地内)の復旧に関しては「現道復旧」とルートを山側(南側)へ振る「別ルート(トンネル)」の両案を比較検討した結果、別ルート案が工期面、コスト面から優位とした。
地震によりトンネル内の覆工コンクリートが落下し、さらに豪雨による土砂崩れで皆月側坑口が埋まった市道まがき線「おさよトンネル」は、輪島市からの依頼を受けて県が復旧を進めている。県では4月下旬の大型連休前に緊急車両や地元車両に限定して供用を再開するとしたほか、本復旧の内容について、全131スパン中、被害が大きかった19スパンでは支保工縫い返し、覆工、インバートを再構築し、被害が軽微な33スパンではひび割れ補修に取り組むと説明した。