国が修繕代行事業として進めてきた薩摩川内市の市道(隈之城・高城線)にある天大橋の事業がこのほど完了し19日、同市役所で引渡し式があった=写真=。竹下卓宏九州地方整備局鹿児島国道事務所長から田中良二同市長に工事完成図書等の目録が手渡された。代行事業の完了は九州初。
修繕代行事業は、国が地方公共団体からの要請を受け緊急的かつ高度な技術力を要する修繕工事等を代理施工を行うもの。
天大橋は、1984年に架設されたプレテンT桁、プレテン中空床版、ポステン箱桁、ポステンT桁など4つの異なる橋梁形式を持つ橋長517m(幅員13m)の長大橋。2019年に県内初の道路メンテナンス集団による直轄診断を実施したあと、薩摩川内市が結果報告を受け要請により、同年に事業開始、21年から工事に着手。6年かけて事業が完了した。
直轄診断時、プレテン床版部などのひび割れやヒンジ部の機能低下、排水装置からの水漏れなどを確認。ヒンジ部分の連続化や炭素繊維シート補強などの工事が行われた。
式には国・県・市をはじめ施工業者ら約40人が出席。三保木悦幸国土交通省九州地方整備局道路部長(代読)の挨拶のあと、森崎考史同事務所管理第二課長が事業概要を説明。田中市長は「新しく生まれ変わった橋は川内川の川北・川南を結ぶ幹線道路にある。市民にとって欠かせないものとして発展することを期待したい」と感謝の言葉を寄せた。
設計・工事関係者は次の通り。
設計=オリエンタルコンサルタンツ・久永コンサルタントJV▽工事=安部日鋼工業 渡辺組 田島組 こうかき建設 久保工務店