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北陸工業新聞社
2025/03/21

【福井】日野川を特定都市河川へ/九頭竜川・北川流域治水協議会/指定に向け検討開始

 国、福井県、市町らで構成する九頭竜川・北川流域治水協議会の第10回会合および第7回福井県二級水系流域治水協議会は19日、福井県庁の総合防災センターで、合同で開催された=写真。会合では、日野川における特定都市河川の指定に向け、検討を開始することを確認した。指定されれば県内では初となる。
 日野川流域では、福井市街地を流れる下流部から、鯖江・越前市街地を貫流する中流部、2022年8月に決壊した上流部の鹿蒜川や21年7月に決壊した志津川等の支川を含め、流域全体で大雨による甚大な被害が発生している。そのため、日野川本川(国管理区間、県管理区間)および日野川の支川(県管理区間)について、国からの特定都市河川の指定に向けた調整を行う。
 特定都市河川への指定により、ハード対策に予算が重点措置されるほか、下水道管理者等による貯留施設の整備やソフト対策等の充実、雨水貯留浸透施設の整備の交付対象要件が緩和される。このほか、自治体や民間事業者等による雨水貯留浸透施設整備への補助率嵩上げや認定制度による支援が行われるなどのメリットがある。
 今後は25年度に検討を進め、26年度中の特定都市河川指定を目指す。指定後は、河川管理者や下水道管理者、流域7市町らにより構成する流域水害対策協議会を設置し、流域水害対策計画の策定に向けた検討を行う。
 このほか会合では国、県、各市町が流域治水に関する取組を報告。この中で県は、県有施設を活用した雨水浸透施設整備として、武生商工高校および越前警察署今立分庁舎における、透水性舗装整備を紹介した。
 小浜市は、水取排水区の浸水対策として、今年度に雨水渠の整備に着手、25年度から雨水渠およびポンプ場の整備を進めるとした。
 おおい町は、二級河川佐分利川の水位上昇に対する対策として、旧商工会館の跡地に排水改善施設を計画。25年度末までに予備設計等を進め、26年度以降に実施設計、工事を行うとしている。
 同会場では、「第11回九頭竜川・北川大規模氾濫減災協議会」と「第10回福井県管理河川(嶺北・嶺南ブロック)減災対策協議会」も合同で開催された。
 国、県、各市町が24年度の取組状況と25年度取組予定を報告したほか、国土交通省の「川の防災情報」がシステムアップデートを行い、危機管理型水位計の表示タイミングなどUI・操作性が改善されたことを紹介した。

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