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日本工業経済新聞社(群馬)
2025/03/18

【群馬】みなかみ町権現ため池改修を25年度事業採択予定

県利根沼田農業事務所農村整備課はみなかみ町月夜野地内の権現ため池改修事業について、2025年度の事業採択を予定している。2つの池を統合する工事となり、25年度に測量調整設計を作成。その後26〜27年度に工事を計画している。総事業費は2億6000万円を見込んでいる。
権現ため池は1930年に築造された権現上ため池と江戸時代に構築され、その後改修された権現下ため池からなる重ね池で、県の防災重点農業用ため池に指定されている。2016年度に耐震調査、21年度に豪雨調査、22年度に劣化状況評価を実施した結果、権現上ため池は堤体余裕高不足と耐震性不足、権現下ため池は耐震性不足で現行基準の安全率を満たしていないことが判明した。
いずれも災害が発生した場合、営農への被害だけでなく人命や財産、地域の経済活動に多大な被害が懸念されることから、対策として改修工事を行う。
今回の改修計画では、1つのため池に統合して権現ため池として整備する。また取水施設も合わせて改修する。
統合後のため池における堤体規模は堤長47m、堤高5・4m、堤体積6300立方m、堤長幅3・5m、貯水量5900立方mの傾斜遮水ゾーン型式。洪水吐は延長8・4m、洪水量は毎秒2・133立方mの側水路型。取水施設は取水量が毎秒0・011立方mの斜樋式で、斜樋管鉄製φ200oを延長7・2m、取水孔φ100oで6カ所で施工する。また底樋工としてヒューム管φ800oで延長30mの整備も行う。このほか、堤体上流側の面積417uを対象にブロックマット工による護岸工事を行う。
堤体上流ではこのほか、延長250mの防護柵工と門扉1基の設置工事も行う。なお、洪水吐工については、コンクリート三面張水路の越流堰型として放流路工23・68mと減勢工等を一体的に現場打ちコンクリートにより整備する。
今後の発注計画としては、25年度に先行して測量調査設計業務を委託する。その後、26〜27年度に改修工事を発注する予定。計画は黒岩測量設計事務所(前橋市)が手掛けた。
同ため池の現況は、権現上ため池が傾斜遮水ゾーン型で堤高7・6m、堤長幅1・8m、権現下ため池も同型で堤高5・3m、堤長幅3・4mで1997年に全面改修を実施済み。受益地は合わせて11ha、総貯水量は8000立方mとなっている。