国土交通省近畿地方整備局と日本建設業連合会関西支部との意見交換会が3月13日に開かれ、公共工事の受発注者双方の立場から、働き方改革の推進と品質・生産性の向上、さらに入札・契約などに関わる諸課題やその対応などについて話し合った。
日建連関西支部は、@配置予定技術者についてA技術提案についてBスケジュール・申請手続きなどについて―の主に三つの要望事項を挙げ意見交換した。
議事に先立ち日建連関西支部の北岡隆司支部長は、「本来の私たちの仕事には地域の守り手という側面がある。こういった機会を生かし、きずなを深めることで、南海トラフ地震などの災害時には団結してことにあたる仕組みになると思う」と意見交換のもたらす効果に期待を込めてあいさつした。
議事では、日建連関西支部から配置予定技術者について、申請する技術者の拘束期間緩和と申請作業の簡素化のため、1人申請で工事着手前に変更可能な港湾方式への変更を求めた。これに対して近畿地整は、港湾部局にもヒアリングし、実現に向け検討を進めていると前向きに取り組む姿勢を示した。
技術提案については、トンネル工事でのみ実施されている段階選抜方式に関して受発注者ともにデメリットが多いとし、対象工事を(廃止に向け)徐々に減らしていくことや、非選抜者の事後面談時間の延長などを求めた。これに対して近畿地整は、実務者レベルでの話し合いを進めていくなどと回答した。
■発注見通しの公表情報について検討求める
また、スケジュール・申請手続きなどについては、発注見通しにおける公表情報について、他地整の例を挙げて「想定される工事実績要件や技術者要件などを盛り込んでほしい。発注に備え技術者の確保や、入札への参加・不参加を早い段階から検討できる」と改善を求めた。近畿地整はこれに対し、「他地整などに比べ情報が少ないことは認識している。記載内容の決め方も含め検討し、内容の充実を図りたい」と前向きに取り組むことを明言した。
また、2023年度に運用を開始した「土木工事書類作成スリム化ガイド」や「受発注者コミュニケーションガイド」について、日建連が50現場で実施したアンケート結果を基に、スリム化ガイドの適用とその効果や運用、コミュニケーションガイドの認知度や運用について意見・要望が行われた。
■「スリム化ガイド」実効性ある取り組みへ、改定も
スリム化ガイドについて日建連関西支部から、発注者側現場担当者へのさらなる浸透と適切な運用を求め、工事進捗定例会議について役割分担が不明確な事例、設計図書の変更については費用も含めて受注者が負担している事例、ワンデーレスポンスが守られていない事例などを説明し、「生産性向上による働き方改革を推進するための重要な要因となる」とし、適切な運用を改めて求めた。これに対し近畿地整は、実効性のある取り組みとなるよう一層の周知徹底を図るなどとした他、より良いものにするため両ガイドの改定を行う方針も示した。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社