神奈川県県土整備局は、2025年度に国道129号など4カ所の無電柱化事業に着手する。これにより、無電柱化推進計画に位置付けていた新規事業箇所を全て事業化する見通しだ。
新たに事業化する箇所は、▽国道129号(厚木市酒井)▽国道255号(小田原市栄町)▽県道42号藤沢座間厚木線(綾瀬市早川城山)▽県道71号秦野二宮線(二宮町一色)―の4カ所。
25年度当初予算案では、県単独土木事業で国道134号(横須賀市大津町1丁目〜根岸町5丁目)など27カ所の工事・委託費に6億6000万円を計上。国の補助が入る公共事業では、県道705号堀山下秦野停車場線(秦野市本町1丁目〜本町2丁目)など17カ所に8億9200万円を充てる。
県は22年3月に「神奈川県無電柱化推進計画」を改定。現行計画では、19・6`に当たる26カ所の新規事業化を目指している。25年度に4カ所の事業に着手すれば目標を達成する。24年度末時点では、県管理道路のうち25・4`の無電柱化が完了している。
無電柱化推進計画の計画期間は25年度まで。災害対策本部や災害拠点病院周辺などの「防災」、市町村の重点整備地区や乗降客数の多い駅などの「安全・円滑な交通確保」、主要観光地などの「景観形成」の三つの観点から対象箇所を選定して優先的に進めている。
無電柱化事業では共同溝を採用することが一般的だが、全国的に1`当たり約5・3億円の費用がかかるなど、事業の実施には高いハードルがある。
県管理道路で無電柱化を行う場合、まずは共同溝を埋設するために、ガス管や水道管などを各事業者が共同溝に影響がないところに移設する。その後に共同溝本体の埋設工事を県が実施。電線事業者が共同溝の入線工事と沿道の住宅などへの電線引き込み工事を終え、電柱を撤去する。最終的に県が仕上げの舗装工事を施工することで完了する。関連事業者との合意形成にも時間を要し、県管理道路の無電柱化率は2・4%となっている。
提供:建通新聞