静岡県は3月11日、路面下空洞緊急調査に関する説明会を静岡市内で開催した。調査期間は同月28日まで。調査結果の解析が完了した後に内容を精査し、早期に今後の対応方針の検討などに取りかかる。解析時に空洞が確認された場合は随時、補修工事などで対応する。
1月に下水道管の腐食によって埼玉県八潮市で大規模な道路陥没が生じた他、2月には富士宮市で老朽化した排水管の接続部からの漏水により道路陥没が発生した。同様の事故を未然に防ぐため、静岡県が管理する国道のうち、第1次緊急輸送路となる382`を緊急で調査することとした。
直轄国道と政令市が管理する緊急輸送道路については、定期的な調査によって路面下の空洞状況が把握できているという。このため、今回の緊急調査の結果がまとまれば、主要な道路ネットワークの空洞状況が把握できる。
緊急調査は3月5日に着手した。地中レーダー探査車両を走行させる形で実施しており、既に走行調査は完了している。今後、取得したデータの解析を進め、3月28日までに結果をまとめる予定。
緊急調査は複数の企業に委託して実施している。11日の説明会では、委託企業のうちの1社であるジーベック(静岡市葵区)が、車載地中レーダー「Stream UP」を用いた調査の内容を説明。同レーダーは2種類の偏波アンテナを備えており、空洞探査だけでなく、地中にある横断管と縦断管の検出とマッピングが可能だという。探査できる深さは約1・5b。
県は3月5日に道路陥没事故を未然に防ぐため、庁内の道路や上下水道の管理部署で構成する「道路陥没防止に関する連絡会」を開催。連絡会では「目視による点検では事故の早期発見が難しい」「敷設管の詳細な位置が分かっていない」などの課題が挙げられるとともに、AIの活用などデジタル技術を今後の対策に生かすことなどが提案された。
緊急調査の解析結果を踏まえ、県は早期に方向性を検討し、第2回の連絡会に諮る予定。開催時期は「解析の結果次第」とし、現状では未定。
提供:建通新聞社