大阪府は、府寝屋川水系改修工営所が整備を進める寝屋川南部地下放水路事業の未整備区間において、貯留した雨水を木津川に排水する「寝屋川南部地下放水路ポンプ場」の規模を見直した。見直しに係る大阪都市計画河川の変更について、2月4日の都市計画審議会で承認され、3月12日に告示した。
都市計画で変更したのは@ポンプ場の位置と面積A地下放水路の起点・線形と延長B排水路と吐口廃止―の3点。ポンプ場の位置と面積については、国の定めるポンプの技術基準の改定を受け規模を再検討した結果、ポンプ場を設置するために必要な面積が広くなったことから、これまでの約1万5700平方bから約2万9800平方bに変更。面積を拡大したことにより、ポンプ場の位置を従来の計画地から北西に位置する府有地(大阪市西成区南津守2)に変更する。
地下放水路の起点・線形と延長については、ポンプ場の位置を変更することに伴い、変更後のポンプ場に接続するよう起点と線形を変更する他、延長を8990bから9120bとする。
排水路と吐口については、ポンプ場の位置を変更しポンプ場内に吐口を設置可能となったことから、都市計画決定を廃止する。
今後は、ポンプ場内で調圧水槽を兼ねるシールド立坑の整備に着手。岸里調節池シールドトンネル工事を行った後、ポンプ室や吐口の整備を行う計画としている。各工事については、地下河川の地上部で大阪市が計画している都市計画道路木津川平野線の用地取得状況を見極めながら進めていくとしている。
寝屋川水系改修工営所が管轄する寝屋川流域は、大阪市東部を含む12市にまたがる流域で、流域面積は267・6平方`、流域内の人口は約273万人となる。東側を生駒山地、西側を上町台地で区切られている他、北側を淀川、南側を大和川に囲まれており、地形的特性から水はけが悪く河川より土地の低い地域であることから近年でも保水・遊水機能の低下により浸水が起こる地域である。
このことから同流域では河川や下水道を一体的に整備する「総合治水対策」を進めており、治水緑地や調整池の整備を推進している。このうち、寝屋川南部地下河川は東大阪市若江から大阪市西成区にかけて整備する計画で、計画延長は13・2`、計画貯留量は79万立方b。このうち、若江立坑〜聖天山立坑までの11・2`で暫定利用を行っている。
※図は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社