香川県は、県内の道路交通課題を解消するために必要な整備箇所を示す長期構想「香川県幹線道路ネットワーク整備長期ビジョン」をまとめた。具体的な対策として、4車線化整備とバイパス整備、交差点改良、現道改良を実施する。約20年後をめどに、県管理道路の主要渋滞箇所で未対策の11カ所全ての対策を終える他、隣接する市町間の幹線道路が4車線以上である割合を現状の約4割から約6割に向上させるなどの整備効果の発揮を目指す。
ビジョンでは、県内の東西軸三つと、それを沿岸部から内陸部につなぐ七つの南北軸、一つの環状道路、小豆島と直島などの離島の循環道路で構成するネットワークづくりを目指す。
県管理道路だけでなく、国や高速道路会社、市町が整備・管理する道路も含めて、目指す幹線道路ネットワークを示した。各道路管理者と連携・調整し、理解を得ながら整備に取り組むとしている。
池田豊人知事は県議会2月定例会で、東西軸と南北軸の形成を目指し「空港連絡道路、県道太田上町志度線、国道438号などの整備や、国道11号の整備促進を引き続き進める」とし「渋滞やミッシングリンクになっている箇所について優先順位に沿って調査する」と話した。
2025年度当初予算案には幹線道路ネットワーク整備推進事業の予算1億円を計上。高松市街地の渋滞対策と高松東部地域の渋滞対策、高松南部地域の幹線道路の検討、志度付近の沿岸軸の強化、中讃地域の道路整備を対象とする。
高松市街地の渋滞対策は、混雑区間や主要渋滞箇所を解消するために都市計画道路の拡幅や交差点改良の検討をする。
高松東部地域の渋滞対策は、屋島周辺の国道11号や周辺の渋滞を解消するため、都市計画道路高松海岸線と合わせた高松市福岡町より東側の高松環状道路のルートを検討する。
高松南部地域の幹線道路については、県道三木国分寺線や県道三木綾川線の渋滞を解消するため、東西の幹線道路を補う三木綾川線バイパスの道路概略計画を行う。
志度付近の沿岸軸については、志度周辺の渋滞を解消するために必要な道路網計画を検討する。
中讃地域の道路に関しては、善通寺インターチェンジからさぬき浜街道を結ぶ南北方向のミッシングリンクを解消するための道路概略計画を行う。
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建通新聞社