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日本工業経済新聞社(埼玉)
2025/03/07

【埼玉】川口市 朝日環境センター改築へDBO等の手法検討

 川口市は朝日環境センター建て替えに向け、基本計画において優先的に検討するべき整備手法を絞り込む。現段階での検討候補はDB、DB+O、DBO、PFO(BTO)の4方式。2月21日に開催した第5回施設整備審議会では、そのうちDBOが最も優位とする市側の見解を示している。今後さらに手法検討を深め、26年度内に基本計画をまとめる予定だ。
 民間企業を対象としたアンケート調査の結果、実現可能性が低いと見た手法を除いた4方式から最適な手法を選定する。費用面の評価(定量的評価)と、費用面以外の評価(定性的評価)から手法の精査を進める。
 第5回整備審議会では定量的評価・定性的評価の結果を示した。委員からの意見を受けて評価内容に修正を加える格好となるが、第5回審議会時点では定量的・定性的ともに「DBOが優位」とする結果が出た。
 定量的評価ではそれぞれの手法のVFM(支払う金額に対してどれだけ価値があるかの指標)を比較した。基準に据えたDB方式を100%とした場合▽DB+O=99・43%▽BTO=97・65%▽DBO=94・2%――となり、DBOが費用に対する効果で最も高い数値を叩きだした格好だ。
 定性的評価からは「安全で安定した適正処理を行う施設の実現」「ライフサイクルコストを通じたコスト削減」「災害・緊急時など不測の事態への対応」の観点から計11の評価項目を設け、各手法を項目ごとに評価。
 その結果、DBOが最も高い点数を獲得。主な理由としては「先行事例が最多」「参入意向調査で5者から望ましい手法と回答があった」「長期包括的な発注により、供用開始後の運営費変動を抑えられる」「施設の長寿命化が確実」などが挙がった。次点には、財政指示出の平準化効果が最も高いPFI(BTO)が選ばれている。
 定量的・定性的の両面から評価していくと、費用に対する効果が最も高く財政支出の平準化も期待でき、かつ維持管理費の変動抑制や施設長寿命化で高い評価を得たDBOが最有力の手法とするのが市側の見解。ただし施設整備期間(30〜35年度)の市負担額を軽減することを考えた場合、より長期的に費用を計上していく格好となるBTO方式も有効と捉える。
 第5回審議会を踏まえて評価結果に見直しを加えることで、さらに精度が高い評価を基本計画段階で打ち出す見通しだ。
 朝日環境センターは2002年に竣工。老朽化に対応するため焼却棟を建て替える計画だ。新たな焼却棟は318t/日の処理量とする方向で検討を進めている。

提供:埼玉建設新聞