北海道建設新聞社
2025/03/06
【北海道】道内35市の25年度予算案/普通建設事業費は3215億円
道内35市の2025年度予算案が本紙集計でまとまった。一般会計に占める普通建設事業費(一部投資的経費)は、前年度当初比11%増の3215億9741万1000円。3年連続のプラスとなり、過去10年間で初の3000億円に乗せた。最多は札幌市の1350億7318万円だった。砂川市と登別市が最も大きい2・9倍の伸びを示し、名寄市が2倍で続くなど、25市が前年度を上回っている。
35市の一般会計、特別会計、企業会計を合わせた予算案の総額は3・6%増の4兆6201億7519万3000円。一般会計が4・6%増の2兆7746億306万3000円となった。新規事業や継続事業への措置に加え、物価高騰や人件費上昇への対応もあり、予算規模が過去最大に膨らむ市が散見された。
一般会計に占める普通建設事業費は補助事業費、単独事業費、国直轄事業負担金、国などからの受託金で構成。一部の市は、普通建設事業費に災害復旧費などを加えた投資的経費を用いて算出している。芦別市、紋別市、北広島市は骨格編成となった。
普通建設事業費は札幌市の1350億7318万円が最も多い。9・4%下回ったが1000億円台は維持。10棟を6棟に再編する市営住宅美香保団地建て替えは、初弾工の3棟189戸を手掛ける。大倉山ジャンプ競技場関連で、ラージヒル整備に向けた基本・実施設計やノーマルヒル併設化への環境対策検討に着手。都心部再開発では北5西1・西2地区再開発の設計を盛り込んだ。
2番目は函館市の191億2276万5000円。日乃出清掃工場プラント更新の継続などで69・9%増えた。新規で函館フットボールパーク改修や市立函館南茅部病院移転新築の実施設計にそれぞれ取り組む。函館南茅部病院は、ことし秋の入札、着工を見込み、RC造、2階、延べ1917uを計画。総事業費に14億8000万円をみている。
旭川市の164億1994万円が3番目につけた。大型工事として、亀吉雨水ポンプ場沈砂ポンプ棟現地改築に新規着工する。委託では東光スポーツ公園複合体育設実施設計や一般廃棄物最終処分場造成実施設計に着手。継続の近文清掃工場基幹的設備改良や旭川市立大新学部校舎新築補助が増加を後押しした。
増加率は2・9倍の砂川市、登別市がトップだった。砂川市は義務教育学校建設、登別市は市役所本庁舎移転建て替えと、どちらも継続が目立った。名寄市も、名寄中整備などの大型継続事業が重なり2倍に伸びた。
このほか建設関連の主な事業を見ると、小樽市が小樽公園再整備に着工するほか、釧路市が大楽毛、音別両地区の津波避難タワー新設、帯広市が南町中増築改修、紋別市が市役所新庁舎建設、滝川市がB&G海洋センター移転新築に取り組む。
一方、岩見沢市は小中学校空調整備が減ったことで40・3%落ち込み、過去10年間で最少の予算となった。留萌市は小中学校の教職員住宅改修や市有林整備などが落ち着き、19・6%減少した。