金沢市は新年度、市民の文化芸術活動を支えてきた「金沢市民芸術村」(大和町地内)の次世代への継承に向け、リニューアル基本構想を策定する。当初予算案には同構想策定費630万円が盛り込まれた。
市民芸術村は、1923(大正12)〜27(昭和2)年に建てられた旧大和紡績金沢工場の倉庫群を利活用し、1996(平成8)年8月に開村。建物は築後約100年経ち、設備関係を含め老朽化が著しい状態であり、市では今年度、リニューアル調査業務(委託先/金沢計画研究所)に取り掛かり、建物劣化調査などを実施した。
調査対象施設は▽【PIT1】マルチ工房(旧2号倉庫/W造軸組+外壁レンガ造平屋建て173・44平方メートル)及び楽屋(旧3号倉庫/同72・53平方メートル)▽【PIT2】ドラマ工房(旧4号倉庫/W造軸組+外壁RC造2階建て延べ842・27平方メートル)▽【PIT3】オープンスペース(旧5号倉庫/W造軸組+外壁レンガ造平屋建て497・67平方メートル)▽【PIT4】ミュージック工房(旧6号倉庫/同497・67平方メートル)▽【PIT5】アート工房(旧7号倉庫/W造軸組+外壁RC造平屋建て497・95平方メートル)−のほか、カフェレストラン「れんが亭」(旧1号倉庫/W造軸組+外壁RC造2階建て延べ312・59平方メートル)、金沢郊外の古民家を移築した「里山の家」(W造2階建て延べ301・51平方メートル)、大練習室などを備える「パフォーミングスクエア」だった。
村山卓市長は市議会3月定例月議会の提案説明の中で、市民芸術村に触れ、「長寿命化に向けた改修に加え、子ども達が文化芸術活動を行う新たな施設整備も想定したリニューアル構想を策定する」との考えを示した。