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建通新聞社
2025/03/06

【大阪】府 鶴見調節池シールド工4月家屋調査着手

 大阪府は2月28日、第2回河川構造物等審議会を開き、鶴見調節池シールドトンネル工事の施工計画について審議した。審議会では、国土交通省が定める「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」を踏まえ、地表面のモニタリングや地下水位計測、騒音・振動計測など周辺の生活環境への影響のモニタリング計画を確認。いずれも同ガイドラインに沿って計画されていると判断し、承認された。これを受け、4月から事前家屋調査に着手する計画だ。
 鶴見調節池の工事区間は大阪市東部に位置し、共同住宅や一戸建て住宅、商業施設が密集した地域であることから工事による周辺環境の悪化を低減する配慮が必要とされている。
 同工事では、ガイドラインを踏まえ、シールド掘進によって想定される▽地上への影響▽地下水位と水質への影響▽騒音・振動―についてモニタリングを実施。また、路面沈下リスクと沿線家屋への影響についても、ガイドラインに記載はないが周囲の安全のため追加でモニタリングを行う。
 シールド掘進による地上への影響については、掘進開始前と掘進中、掘進完了後にそれぞれ人力測量を実施し影響をモニタリングする。計測範囲と頻度は、影響想定範囲の地盤高を定期的に把握できるように設定した。
 合わせて、地表面の変位傾向を迅速に把握し、シールドの掘進管理に反映させるため、トータルステーションによる自動計測も行う。計測点は、シールド中心直上の他シールドの左右2点ずつ5bメッシュで配置。シールド通過前後にも充分な計測期間を設けることで、掘進による影響を継続的に監視する。
 路面沈下リスクについては、掘進開始前にシールドトンネル路線上と家屋調査範囲の車道を対象に、道路下の空洞調査を行う。また、工事完了後も工事に伴い新たな空洞が発生していないか調査する。
 地下水位と水質の影響については、6カ所の観測孔を利用し水位の観測と水質試験を行う。調査期間はシールドトンネル工事着手1年前から施工完了後1年間を予定している。
 騒音・振動の影響について、発進基地では防音ハウスを設置し、施工期間を通じて常時騒音や振動を測定する。住民から要望があった場合には、住居近くでの測定も行う。
 シールド路線では、シールド機内に振動計を設置し、現場事務所やシールド操作室で管理する。地上部への影響は公共用地などで計測を行い、影響があると考えられる場合は、速やかに振動低減対策を実施する。
 家屋調査では、工事による家屋への影響の有無を確認するため、掘進開始前と完了後に基礎・柱などの水準測量や窓・扉の建て付け状況、外壁などの亀裂確認などを行う。

〜26年度冬ごろ掘進開始〜

 同審議会では今後、8月ごろにシールド施工計画と住民対応計画などについて審議。施工計画について適当と認める答申がされれば、2026年度冬ごろに掘進を開始する。
 鶴見調節池は城北立坑(大阪市城東区関目2丁目)から鶴見立坑(守口市高瀬旧大枝、鶴見緑地公園内)までの延長1779bで、貯留量は12万立方bを計画している。施工区間のうち、城北立坑から国道479号(内環状線)までの延長640bを大深度地下使用法を適用し工事を進める。シールドは泥水式シールド工法で、シールド外径は10・29b、装備推力は15万1200`ニュートン。セグメントは外径10b、内径9b、幅1・8bの合成セグメント(嵌合式継手)を使用する。現在、発進立坑の城北立坑を施工中で26年2月末に竣工する予定だ。
 寝屋川北部地下河川は計画延長14・3`のうち9・7`が完成しており、約26万立方bの雨水を貯留できる施設として暫定運用している。鶴見調節池の他、都島調節池(城北立坑〜排水機場間延長2・9`、貯水量30万立方b)が工事未着手区間として残っている。
 ※写真は建通新聞電子版に掲載中

提供:建通新聞社