県健康福祉部は4日、「保健医療大学の機能強化に向けた調査検討会議」(座長=中村丁次(ていじ)・神奈川県立保健福祉大学名誉教授)の第4回を県庁本庁舎5階特別会議室(オンライン併用)で開催し、調査検討事業報告書の案などを示した。機能強化に伴うキャンパスの立地について、調査検討会議での議論および、在校生と卒業生を対象とするアンケートにおいて「『幕張キャンパスへ統合』との意見が多数」などとまとめている。幕張キャンパス統合に係る建設工事概算費用(29年度建設事業費単価(高位)による推計)は、ローリングによる建て替え251・53億円、大規模改修など160・85億円となっている。
幕張キャンパス統合の場合、学部教育、大学院教育、地域連携・社会人教育機能を全て幕張キャンパスに集約する。
建て替えでは、更衣室棟、教育棟、管理棟、学生ホール棟、講堂を解体。学生ホール棟と講堂の跡地およびグラウンド部分にRC造4階建て、建築面積約6000u、延べ床面積約2万2330u(想定)の大規模新校舎を建設。教育棟と管理棟の跡地は、空地やグラウンドとする。図書館棟は、図書館および機能強化センターとして活用。体育館については耐震改修を行う。
建設工事概算費用の内訳は、建築201・31億円、耐震改修1・39億円、解体39・01億円、外構9・82億円。
大規模改修などにおいては、老朽化した建物の大規模改修を行うほか、定員増に対応し、必要な設備を備えるRC造6階建て、建築面積約1300u、延べ床面積約7600u(想定)の新校舎を増築。既存建物のうちA棟(歯科・栄養棟)は、狭あいな講義室を大学院生研究室とするなど各室の用途や間仕切りを調整するとともに、エレベーターを設置してバリアフリー対応を行う。B棟(看護棟)は、共用講義室・演習室およびリハビリテーション学科の教室・実習室・研究室に改修。図書館棟は、図書館および機能強化センター機能として使用。管理棟、講堂、学生ホール、体育館については耐震改修を行う。
建設工事概算費用の内訳は、建築68・51億円、耐震改修1・39億円、大規模改修63・66億円、解体26・87億円、外構0・42億円。
公認会計士・税理士小栗事務所所長の小栗一徳委員は「大規模改修などの案が最も現実的」との見方を示した。
幕張キャンパス統合のほか、仁戸名キャンパス統合、2キャンパス現状維持、2キャンパス再編も選択しとなっている。
運営主体については「公立大学法人化」を案として検討する。
施設設備の整備に関しては、看護学科定員増、言語聴覚士専攻設置、大学院設置などに対応するための講義室、講習室、実験・実習室、自習室などや、教員個人研究室、ラーニングコモンズ、キャンパスアメニティ、バリアフリー、各センターなどの機能強化に必要な施設の整備について検証を行う必要がある。
調査検討事業報告書は、第4回会議で寄せられた意見などを反映し、5月に公表する予定だ。