大阪港湾局は、大阪市港区の築港南地区の再開発に向けたマーケット・サウンディングを行い、不動産開発会社やゼネコンなど7団体が参加した。埋立地・背後地Ⓑにマンションやホテルなどを整備する提案に加え、背後地Ⓐを空飛ぶクルマ発着場や公園などとして活用する提案があった。
埋立地・背後地Ⓑの土地利用の提案は、マンションやホテルの他、商業施設、医療施設、スポーツ施設、物流施設、公園、干潟など。背後地Ⓑ内の既存施設(市営上屋)は、商業施設やギャラリーなどに改修する計画だ。
埋立地と背後地Ⓐに隣接する船溜まりは、ヨットやプレジャーボート、海上タクシーの発着場などに活用。埋立地と背後地Ⓑの水際線には客船の係留施設やハーバープロムナードなどを整備する提案があった。
また、参加した団体は、建設・設備費など工事費の高騰や、周辺地域を含めた回遊手段がない点などを再開発の課題として挙げた。提案した事業の実現に向け、建築物の容積率や用途の緩和、回遊性を確保する遊歩道などの整備、岸壁・桟橋など水際線活用のための施設整備などを求めた。
今回の調査結果や「築港・天保山まちづくり計画」を踏まえ、2025年度から土質調査・検討調査やまちづくりビジョンの検討に着手する。
埋立地は面積約5・1f。大阪市が実施した事業再評価により埋立事業が休止している。事業費を圧縮し、早期に事業を再開するため、事業評価に向けた準備を進めている。30年代前半までに埋め立てを完了することを目指す。用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)
背後地Ⓐは面積約1・2f。未供用の緑地。本年度中の完成を目指し、大阪メトロが空飛ぶクルマのポートを整備している。27年3月まで暫定利用する計画だ。市街化調整区域に該当するが、建ぺい率60%、容積率200%の条件を基に提案を行った。
背後地Ⓑは面積約9・2f。倉庫などの港湾物流施設が集積しており、鉄骨造平屋2739平方b、同造平屋2155平方b、同造平屋2691平方bの計3棟の市営上屋がある。用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)・一部商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)。
所在地は大阪市港区海岸通2丁目他。
※対象区域を示した図は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社