国土交通省近畿地方整備局とプレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)関西支部は意見交換会を2月26日に開き、@年度工事量の安定的・持続的確保A働き方改革のさらなる推進Bプレキャスト化のさらなる推進C質問事例の多い項目の事前開示について―の4項目を提案した他、適切な工期設定などについて討議した。
開会のあいさつで近畿地整の橋伸輔企画部長は、国土強靱化(きょうじん)実施中期計画の策定などについて触れ、「現計画の15兆円を上回る事業規模とのことだ。策定の方針について国から各都道府県、全市町村長に意見照会をしているので、しっかりと地域の実情を伝えていただき、国民が安全・安心できるような事業量を確保していきたい」と協力を求めた。
また、同協会の藤原博之支部長は、本年度の近畿地整管内のPC工事の発注量に触れ、「昨年度に引き続き大野油坂道路を中心に多くの発注をいただいた。ただ、各路線の工事が早く進捗したこともあり、来年度以降は発注ペースが下降気味となるのではと予想する。厳しい事業量の中でしばらくは耐えることになると思うので、新規路線の事業についても早期に進めてほしい」と安定的・持続的な事業量の確保を求めた。
働き方改革のさらなる推進については、近畿地整が発刊している「土木工事書類作成スリム化ガイド」と「受発注者コミュニケーションガイド」の運用状況について、支部会員を対象に実施したアンケート結果を基に「現場技術員によって同じ書類が通らないケースが多くある。統一性を図ってほしい」や「工事概要の作成が不要とされている場合でも検査前に提出を求められることがあり、結局作成しているケースがある」などと協会側は指摘。近畿地整は「発注者側での認識が統一できていないとの指摘は把握している。さまざまな会議などを通じ、ガイドに沿った運用について引き続き周知徹底を図る」と応じた。
また、プレキャスト化のさらなる推進に関して協会は、省人化・省力化が図られることや工期短縮などに加え、工場での死亡災害は現場の14分の1、災害リスクは57%低減できるといった試算を明示してプレキャスト技術の有効性をアピールした。近畿地整はこれに対し、「プレキャスト製品を活用するニーズは掴んでおり、今後もニーズに応じて拡大していく」と前向きに回答した。
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