山陰近畿自動車道の鳥取―覚寺間7`(通称南北線)の都市計画手続きが再び動き出す見通しになった。2月県議会本会議で、平井伸治知事は「手続きを前進させるめどが立った」と述べ、今後年内の都市計画決定を目指す考えを明らかにした。自民党福田俊史議員の代表質問に答えた。
南北線は山陰近畿道の県内唯一の未事業化区間。都市計画法上の公聴会が20年10月に開かれて以後、一部の有力関係者から手続きに理解が得られず、膠着状態が続いていた。関係者によると「最近になって了解が得られたようだ」という。
19年に決定したルート帯は、山陰道・鳥取西ICから北上して市街地を通過。その後鳥取港の手前から東進し国道9号鳥取バイパス・覚寺ICまでを結ぶ7`。基本的に高架構造とし、幅員は土工部19・0b、橋梁部18・0b。ルート内には5カ所のICを設置する。
事業主体の国交省は20年6月にルート帯を含めた都市計画素案を県に提出。県は都市計画手続きに入り、地元説明会を開催したほか、同年10月には公聴会を開いて意見聴取した後、4年以上にわたって具体的な動きがストップしていた。
県土整備部道路局の説明では、今後、春ごろに公聴会で出された意見に対して県の見解を公表。夏ごろ都市計画審議会を開いて計画案を予備審議し、次いで本審議に入って年内に都計決定を告示したいとしている。
順調にいけば26年度の新規事業化に道が開かれることになり、県東部待望の大型事業がいよいよ動き出す。
「一刻も早く整備を」
藤原東部建協会長
東部建設業協会の藤原正会長は、都計手続きの前進に「業界にとって喜ばしいこと。南北線によって山陰道、鳥取道と合わせ3つのネットワークが結ばれることになり、県民の交通の利便性は向上する。今後は関係者に一刻も早く整備に入れるよう調整をお願いしたい」とコメントし、期待をにじませた。
日刊建設工業新聞