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建設経済新聞社
2025/03/03

【京都】西松建設が元新洞小学校跡地活用 学生寮や有料老人ホーム等整備へ

 京都市は2月28日、左京区の元新洞小学校跡地活用の公募型プロポーザルについて、西松建設梶i代表取締役社長細川雅一氏、東京都港区)を契約候補事業者に選定したと発表した。同社と市との間で3月頃に基本協定書を締結し、地域住民を加えた三者により、事業化に向けた合意形成のための協議を行った上で、貸付契約を締結する。
 平成25年3月に閉校した同校跡地については「歴史と記憶を未来につなぐ新たなまちづくりの拠点の創出 〜地域コミュニティの活性化と次世代の新たな活力を生み出す空間の創出を通して〜」をテーマに活用を進めるとしてプロポを実施。2者(西松建設、A事業者)から応募があり、契約候補事業者選定委員会で提案に関する審議等を実施した。168・5点(210点満点)で最も高い評価の西松建設を選定した。
 西松建設の主な提案内容は、▽大学の垣根を越え、国内生・留学生が混住し、学生同士が交流する空間を施設内に設けた交流型学生寮の整備▽高齢者の増加や単身化の解決に向け、有料老人ホームを整備▽自治会活動スペースとして、現在の校舎本館の面影を残し、耐震性能に優れた新本館(集会スペース、体育館、倉庫等)や、オープンスペース、消防分団詰所を整備▽新洞学区に学生・高齢者が新たに居住し、地域の人々と協働して、多世代間での交流を生み、新たな賑わいを創出。
 貸付期間は60年間。貸付希望価格は4350万円(年額)(地元利用等の調整による減額前の金額)。プロポ時に市が設定した貸付料の最低価格は4300万円(年額)。
 選定委での主な講評内容は「西松建設の提案は、地域との共存を重視しながら、元新洞小学校の敷地に交流型学生寮、有料老人ホーム、自治会活動スペースを整備するものであり、また避難所機能の確保、地域経済の活性化など、京都市施策にも貢献するもの。地域の自治活動の場として、敷地の南側に、現在の校舎本館の面影を残しつつ、耐震強度の高い新本館を建築し、オープンスペースや消防分団詰所と一体活用できる計画となっており、元新洞小学校の歴史と記憶を継承し、将来にわたって地域コミュニティの新たな拠点となるもの。元新洞小学校は『大学のまち・学びのまち』をまちづくりの目標の一つに掲げる左京区に位置しており、その学校敷地内において、多くの学生が新洞学区の一員として居住し、地域と学生間、多世代間での出会い・交流が生まれることにより、新たなにぎわいの創出や、地域に親しみと愛着を持った人材の育成・増加、さらには将来の定住の可能性が期待できる」。
 同校跡地は、仁王門通に面した左京区川端より三筋東二条下る新東洞院町252(敷地東側)及び川端二条下る一筋目東入る新車屋町166−1(敷地西側)の敷地面積6971・91u(実測面積)で、南北に細長い形状。用途地域は近隣商業地域(指定建ぺい率80%、指定容積率300%)。高度地区は15m第3種。
 主な既存建物は、@校舎(本館)がRC造地下1階地上2階建、延1106・46u(昭和4年築/Is値0・73/改修済み)A校舎(北・南)がRC造4階建、延1518・60u(北が昭和48年築、南が昭和53年築/Is値は北が0・75、南が0・79/北は改修済)B講堂(体育館)がRC造平屋建、382・21u(昭和29年築/Is値0・17/未改修(コンクリート強度が低い))C校舎(給食室)がW造平屋建、128・52u(昭和52年築)D便所がS造平屋建、38・38u(昭和57年築)E倉庫1がS造平屋建、19・95u(昭和52年築)F倉庫2がCB造平屋建、20・81u(昭和34年築)G更衣室がCB造平屋建、50・56u(平成10年築)H機械室がCB造平屋建、13・44u(昭和46年築)I倉庫3がCB造平屋建、8・51u(築年数・不詳)J倉庫4がS造平屋建、11・27u(築年数・不詳)で、その他構造物にプール等がある。
 担当は京都市行財政局資産イノベーション推進室学校跡地活用促進担当。