日本工業経済新聞社(群馬)
2025/02/28
【群馬】25年度中に設計・設計を一括発注
吾妻環境施設組合は、新たに整備する一般廃棄物処理施設の建設事業で、2025年度中に設計・施工一括で施設全ての工事を発注する計画を明らかにした。発注方式は、県の電子入札システムを導入し、総合評価落札方式の一般競争入札で行う見通し。今後、3月中にも施設の基本計画をまとめ、発注に向けて準備を進める方針。想定では25年度中に受注企業の選定を進め、26年度から設計・施工に入りたい考え。建設には3カ年かかる見通しで、30年度中の稼働開始を目指している。
吾妻地域で稼働している吾妻東部衛生センター(中之条町)、西吾妻環境衛生センター(長野原町)、草津町クリーンセンターの3つの一般廃棄物処理場はいずれも老朽化している状況のため、3施設を統合し、中之条町、長野原町、嬬恋村、草津町、高山村、東吾妻町の6町村のごみ処理を担う新たな処理場の建設を計画した。
建設地は、東吾妻町大柏木地内の県道川原畑大戸線の大柏木川原湯トンネル西側に位置する八ッ場ダム整備事業で使用した骨材プラントヤード跡地。敷地面積は7万2838uとなる。
25年度は設計・施工を一括としたデザインビルド方式を採用し、総合評価落札方式の一般競争入札での発注公告を行う見通しとなっている。このほか、災害廃棄物処理計画策定業務などを委託する。25年度から県の電子入札システムの導入を行う。また設計委託料や工事費などは新たに予算計上する方針を示している。
基本構想段階で、エネルギー回収型廃棄物処理施設(焼却施設)は処理能力が70t/日程度、リサイクルセンターは15t/5h程度としていたが、検討委員会の答申を受け、人口減少などを見据えた若干のスケールダウンを予定している。処理方式は、焼却施設が全連続式焼却炉(ストーカ方式)、リサイクルセンターが◇不燃・粗大ゴミライン=破砕、機械選別、貯留◇プラスチック製容器包装ライン=破砕、手選別、圧縮梱包◇ペットボトルライン=手選別、圧縮梱包−となる。また、焼却施設での余熱利用計画は場内利用を基本とした熱回収を想定し、発電利用はしない。
2月に行われた施設整備検討委員会の答申を受けて、年度内に施設の基本計画をまとめる方針で、今後の想定として、25年度中に設計・施工を一括して公告し、第3者機関による選定委員会を立ち上げる。管内6町村の意向も踏まえて事業者選定を進め、26年度に設計業務、27年度から3カ年かけて建設工事を行い、30年度中の稼働開始を目指す。
なお、処理場の搬入路となる処理場建設地から伸びる八ッ場ダム整備事業の工事用道路跡地、面積11万5272uは東吾妻町が取得。同町が町道として管理を行う。
生活影響調査業務および基本計画の策定支援業務を環境技術センター(長野県松本市)、測量および地質調査業務は技研コンサル(前橋市)、PFI導入可能性調査業務を群馬県建設技術センター(前橋市)が担当した。