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日本工業経済新聞社(群馬)
2025/02/27

【群馬】広沢川など3河川を整備 調節池や分水路新設


県河川課は、渡良瀬川圏域河川整備計画(変更)の原案を示した。桐生市とみどり市で構成する圏域内で整備を予定する河川として広沢川、小倉川、山田川の3河川を位置付ける。流下能力が不足している区間を対象に、広沢川は調節池や分水路、護岸工などを約1700m区間内で計画。小倉川では掘削工や護岸工などを約1400m区間内、山田川については約3600m区間内で掘削工、引堤、築堤などを予定する。
圏域内には、渡良瀬川、桐生川、広沢川、小倉川、山田川など25河川が流れており、合計で162・6qある。2012年2月に策定した現行計画には、桐生川と山田川で流下能力が不足している箇所の対策が位置付けられており、23年度末までに対策が完了している。桐生川は1720m区間内、山田川については1620m区間内で流下能力が不足している箇所の対策を実施した。整備計画変更の検討業務はエイト日本技術開発(東京都中野区)が受託した。
3月に河川整備計画懇談会の開催を予定。その後、桐生市とみどり市に変更案の意見聴取など必要な手続きを行い、国土交通省関東地方整備局長へ認可申請を行う。
整備箇所として盛り込まれた広沢川、小倉川、山田川の3河川は気候変動の影響を考慮し、おおむね10年に1回程度発生すると予想される洪水に対応するための整備を行う。なお、山田川については23年度末までに対策が完了した区間の上流側を対象に整備を行う。
3河川については、整備計画の変更が認可された後に、具体的な計画について検討するため、現地での詳細な測量や調査、設計等を行う予定になっているが、実施時期等については今後検討することとしている。
3河川の整備計画の原案について、概要は次の通り。
【広沢川】
整備は桐生市広沢町地内にある神明小学校の東側を通る市道付近から下流へ約1700m区間内で実施。全区間がおおむね堀込河道となっている。整備対象区間内の最下流で50立方m/sの流量を確保する。
国道50号との交差部に整備されているボックスカルバートがボトルネックとなっていることや、整備対象区間のおおむね全区間で流下能力が不足している状況にあり、また、河道に隣接して宅地や事業地が密集していることや国道50号との交差部のボックスカルバートがボトルネックになっていることから周囲への影響を踏まえ、河道改修と併わせて調節池や分水路の整備を行う。
【小倉川】
整備は渡良瀬川合流点から上流約200mを起点に、西山沢川との合流点までの約1400m区間内で実施。全区間がおおむね掘込河道となっている。整備により西山沢川との合流後で65立方m/s、最下流では85立方m/sの流量確保を図る。
渡良瀬川合流点から西山沢までの一部区間において流下能力が不足している状況となっていることから掘削工や護岸工などを実施する。
【山田川】
山田橋上流から、さらに上流に位置する漆谷戸沢川合流点までの約3600m区間内を対象に整備を行う。区間内には名久木川、金屑川との合流点がある。漆谷戸沢川との合流点で130立方m/s、名久木川との合流後で200立方m/s、金屑川との合流後で270立方m/sの流量を確保する計画としている。
漆谷戸沢川、名久木川、金屑川との合流点付近などの一部区間で流下能力が不足している箇所があるため、掘削工や引堤、築堤などで対策する。