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建通新聞社(神奈川)
2025/02/20

【神奈川】県 県民ホール再整備へ 25年度に基本構想

 神奈川県は、横浜市中区にある県民ホールの再整備に向けた基本構想を策定するため、2025年度に文化芸術関係の専門家や有識者による「基本構想策定委員会」を立ち上げる。25年度当初予算案には、基本構想の策定費用などに6780万円を計上。建て替えに当たり、施設の規模や機能、整備手法、スケジュールなどについて検討するとした。
 県民ホールは1月に開館50周年を迎えた。建物の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上6階建て延べ2万8476平方b。開館当初から使用している空調設備や配管などが老朽化しており、コンクリートの中性化による耐久性の低下も指摘されていた。3月末から休館し、建て替えによる再整備を行う。
 2月17日に開催した県議会第1回定例会では、杉本透氏(自民党)や斉藤尊巳氏(立憲民主党)から質問があり、黒岩祐治知事が答弁した。
 杉本氏は、「できるだけ早期に県民ホールを再開できるよう計画を立て、着実に再整備を進めるべき」と述べ、再整備の進め方について尋ねた。
 黒岩知事は、「新たなホールの将来像や目標を明確にした上で、どのような施設としていくか考える必要がある」とし、25年度中をめどに基本構想を策定することを明らかにした。基本構想策定委員会の立ち上げについては、「ホール関係者やアーティスト、県民の意見を聴取しながら、全国に誇れる文化施設となるような施設の在り方を議論する」と意気込みを示した。
 斉藤氏は現状の課題としてバリアフリー化の不備を挙げ、「再整備に当たっては、障害者や子育て世帯などさまざまな特性に対応するバリアフリー化が必要」として、知事の所見をただした。
 黒岩知事は、「誰もが利用しやすいハード・ソフト両面でのバリアフリー化を達成し、先進的な文化施設となるよう取り組んでいきたい」と答えた。
 斉藤氏は、「建築費の高騰によりバリアフリー化に必要な費用が増大する可能性もある。民間資金の活用などについてはどのように考えているか」と再質問。黒岩知事は、「横浜市のまちづくりの動向を見つつ、クラウドファンディングやPFI、ネーミングライツなど適した手法を検討する」と答弁した。

提供:建通新聞