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北海道建設新聞社
2025/02/25

【北海道】北見市と寒地土研がアスファルト製ハンプ冬季設置の実証実験

 北見市と寒地土木研究所は、北見市の住宅街にある小学校の通学路で、車両の速度を抑制するアスファルト製ハンプを設置した実証実験の結果をまとめた。2023年12月から現在まで1年余り設置し、制限速度の時速30q以下で走る車が夏季で9割、冬季ではほぼ10割と如実な成果が見られた。市担当者によると、冬季でのハンプ設置は全道で初めて。交通安全対策の有効性が評価され、他自治体が高い関心を寄せている。(北見支社・鈴木 楽記者)
 ■通学路に設置し児童の安全確保
 市立三輪小の通学路である市道三輪小通に設置してある。最高速度が30qの「ゾーン30」に設定されている幅員6mの片側1車線区間。同校の児童も多く通行するが、制限速度以下で走る車は全体の2割ほどで、児童や保護者らから危険だと悪評が生じていた。
 除雪時の障害になるといった懸念から、本道ではこれまで冬季に設置されてこなかった。寒地土研が冬季を対象に車道で実験をしたいと打診し、市が快諾した。
 ■除雪の懸念解消特別な損傷なし
 ハンプは接続する市道と同等の表層で舗装し最大で10pの高さがあり、傾斜部は緩やかなS字を描く。河西建設(本社・北見)が設置を担った。
 冬季は積雪によりハンプ部分の視認性が悪くなるが、周囲に注意を呼び掛けるコーン標識などを設置した。19日時点ではハンプに起因する交通事故は起きていない。
 実験前には除雪業者と協議し、実際に見学してもらうなどの対策を取った。除雪開始前には、作業に不安を覚える作業員も複数いたが、ハンプが原因で除雪時間が延びることもほぼなく、懸念は解消されている。
 除雪によるハンプ損傷度も調査した結果、全体の3割近くで深さ1oほどの擦り傷が付いた。これは通常の道路でも生じるため、特別な損傷ではないと判断した。
 近隣住民や三輪小関係者からも設置を歓迎する声が多く集まっている。「保護者として子の通学の安心が増した」などの意見が寄せられ、別な箇所にも設置してほしいといった要望もある。
 ■交通安全に効果2カ所目も視野
 市道路管理課の渡部剛喜計画係長は「ハンプ設置で、ここまで制限速度を守る車が増えるとは驚きだ。このような形で交通安全対策ができて良かった」と振り返る。
 今後も実験を継続する意向だ。全く異なる場所や同路線2カ所目での設置などを視野に検討を重ねている。