香川県土木部は、2025年度から建設工事の入札でICT活用工事の発注者指定型(試行)を導入する。工事内容や施工条件などを考慮して対象工事を決める。受注者は▽ICT建機での施工▽3次元出来形管理などの施工管理▽受注者自らが行う3次元データ作成と、3次元データ納品―のうちいずれかを選択し必ず行うことが義務付けられる。2月12日に高松市内で開かれた香川県ICT活用工事支援連絡協議会の場で明らかにした。
年間でどの程度の件数を発注者指定にするかは決めていない。過去に受注者希望型で実際にICT活用がされた案件を振り返り、25年度に発注する工事から発注者指定が適用できる案件を選ぶ。
県は、18年度にICT土工(1000立方b以上)でICT活用を始め、これまでに舗装工や法面工など適用する工種を増やしたり、土工量を1000立方b未満や小規模土工に緩和したりし、対象工事の件数を増やしてきた。18年度には対象工事は10件で、実際に行ったのは2件だったのが、22年度には対象71件、実施48件、23年度は対象117件、実施43件、24年度は12月末時点で対象236件、実施57件に増加した。今後は実施率を高めていく必要もあり、県は発注者指定型を導入する他、県ホームページのICT活用工事に関する制度の記載内容を見直して分かりやすくするなどの工夫をしていく。
県は、小規模な現場でのICT活用普及について制度の周知や内製化の取り組みが不十分であること、小規模工事が多い市町発注工事では電子納品の対応ができないこと、ICT活用工事にかかる費用負担、職員の知識不足が課題と認識。県は、現場技術者や監督員を対象にスキルアップの講習会を開き、また、制度の説明を行っていく。
同協議会では、23年度時点で県内市町でのICT活用工事の実績はなかったが、2月に高松市がICT活用工事を発注したことも報告された。高松市以外にも導入を検討している市町が6団体あるといい、県は一層の普及を進める考えだ。
続いて、国土交通省四国地方整備局施工企画課の淀宏治課長補佐が、25年度から直轄工事の土工と河川浚渫工を対象にICT施工を100%発注者指定型で原則化することなどを説明した。
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建通新聞社