県港湾空港課は、秋田港本港地区(ポートタワーセリオン前)で岸壁新設などを行う重要港湾改修事業に関し、鋼矢板製作・打設等に7億5,000万円を見込んでいる。当初予算案に2億5,000万円を計上したほか、債務負担行為5億円(8年度)を提案した。鋼矢板製作に時間を要するほか、冬期の施工が困難なため、打設、岸壁上部工、裏込め工など整備完了まで2カ年を見込んでいる。国の補助事業のため内示後の5月下旬以降に公告、8年11月の工期で推進する。
事業は、セリオンと新日本海ターミナル間にあるコの字型3岸壁(北ふ頭B岸壁、南ふ頭C岸壁、秋田−3物揚場)に延長140mの岸壁を設置し、締め切った後に窪地を埋め立てて整地するもの。岸壁新設部分に打設する控杭は、加藤建設・広洋産業建設工事JV(L75.6m)と、加藤組・杉本組特定建設工事JV(L39.8mを)が8月29日の工期で進めている。控杭の打設完了後、約20m前方に鋼矢板壁を設置する。
また、埋立用地(2ha)を駐車場として整備するため今年度、詳細設計をアルファ水コンサルタンツに委託。埋め立ては9年度以降に実施する予定。
整備では低利用で老朽化した係留施設を廃止し、岸壁新設によるふ頭の集約再編を行うことで、将来にわたるライフサイクルコストの削減と効率的な施設利用を図る。
秋田港港湾計画では本港地区において、フェリーやセメント、石灰石等の貨物船が利用し、近年増加しているクルーズ船も貨物岸壁を利用しているため、貨物・クルーズ需要等に対応する埠頭再編を計画。岸壁を新設することでセリオン側の岸壁と一体となった利用が可能となり、中島ふ頭と合わせてクルーズ船2隻の同時着岸ができるとしている。
提供:秋田建設工業新聞社