大阪市は2月14日、2025年度当初予算案を発表した。一般会計のうち投資的経費は2259億円で、前年度当初と比べ305億円少ない11・9%の減少。大阪公立大学森之宮1期キャンパスが9月に開設となる新大学キャンパス整備や4月に開幕する大阪・関西万博関連などの事業費が減ったことが主な理由となる。こうした中、建設関連事業では、中浜西下水処理場の再構築や夢洲消防出張所の整備に向けた設計費、大阪城公園接続デッキ整備の工事費などを盛り込んだ。
50年カーボンニュートラルを見据えた中浜西下水処理場の再構築事業では、委託料などに6500万円を計上。概略設計などを行う水処理施設等再構築に係る計画検討業務の一般競争入札を24年度内にも再公告する。概略設計の完了後、基本設計業務の一般競争入札を25年度第4四半期に公告する見通しだ。
新大学キャンパス整備事業は前年度から大幅に事業費が減るものの、35億7100万円を計上。杉本と中百舌鳥キャンパスの同種分野の学部を集約する方針で、既存施設の有効活用を図りながら学舎整備の基本設計、実施設計、工事を推進する。
また、森之宮キャンパスの情報学研究科と都市シンクタンク機能・技術インキュベーション機能について、民間活力を生かした整備を行う予定。28年度の開設を目指す。
■大阪城東部地区の開発で歩行者デッキ整備へ
関連して、新規事業の大阪城公園接続デッキ整備事業に1億4700万円を充てる。大阪城東部地区1・5期開発の28年春のまちびらきを目標に、第二寝屋川の水辺の歩行者空間から大阪城公園駅をつなぐ歩行者デッキを整備する。
キャンパスから大規模集客施設、新駅・駅ビル、水辺の歩行者空間、大阪城公園をつなぐ歩行者空間のネットワーク化を図る。25年度から準備工事に着手し、26〜27年度に本体工事、28年度にヤード撤去工事を行う見通しだ。
■夢洲地区の基盤整備や消防出張所の設計費など盛る
万博閉幕後、夢洲第2期区域の開発や統合型リゾート(大阪IR)の開業を見据え、夢洲地区の土地造成・基盤整備事業に249億8600万円を充てる。鉄道・道路・海上アクセス整備に加え、夢洲駅南西出入口通路(IR区域接続)整備工事、夢洲幹線道路雨水管整備工事、此花大橋歩道設計などを行う。
また、夢洲消防出張所の整備事業では、基本設計の委託料などに3000万円を計上した。夢洲地区の災害対策の中枢機能を担う消防出張所を新設する。
主な部局の歳出額を見ると、都市整備局が699億6852万円(前年度当初比5・3%増)、建設局が1237億0190万円(同9・6%減)、大阪港湾局が249億9723万円(同30%減)、教育委員会事務局が2316億3779万円(同8・9%増)となった。
特別会計では港営事業会計が481億1600万円(前年度当初比57・5%増)、下水道事業会計が1792億5500万円(同8・9%増)、水道事業会計が983億3600万円(同3・2%減)となった。
一般会計は2兆0309億円(前年度当初比0・7%増)で5年連続の増加。特別会計は1兆5808億円(同2%減)。総額は3兆6117億6700万円(同0・5%減)としている。
※グラフは建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社