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建通新聞社(神奈川)
2025/02/07

【神奈川】県 25年度予算 投資的経費は2044億円

 神奈川県は、2025年度当初予算案に投資的経費として前年度比12%増の2044億2900万円を盛り込むことを明らかにした。2000億円超えは02年度以来23年ぶり。3月に策定予定の新たな地震防災戦略や水防災戦略に基づき、緊急輸送体制の確保や風水害の被害を低減させるハード整備を進める。
 投資的経費の内訳は、国の補助が入る「公共事業費」が554億3100万円(前年度比同)、「県単独土木事業費」が548億0300万円(30・6%増)、土木事業以外の「その他投資」が941億9400万円(10・6%増)。一般会計に占める投資的経費の割合は9・2%となり、前年度から0・5ポイント上昇した。

〜防災・減災対策に力点〜

 当初予算案の重点事業に「安全で安心してくらせる神奈川の実現」を挙げ、地震防災戦略や水防災戦略に基づいた防災・減災対策に力を入れる。地震災害対策の推進では、前年度比114億円増の1195億3126万円を配分した。
 具体的には、第1次緊急輸送道路に指定されている国道134号湘南大橋の橋梁耐震補強や、県道42号藤沢座間厚木線(座間荻野線U期)の整備などを進め、緊急輸送体制を確保する。また、00年の建築基準法改正以前に建てられた「新耐震グレーゾーン住宅」や旧耐震基準のマンションの耐震改修に対して新たに補助するなど、住宅の耐震化を図る。
 風水害対策の推進には、前年度比139億円増の882億0586万円を充て、柏尾川の金井第二遊水地の整備や境川の鉄道橋架け替えなどを実施。流域治水の視点から重要な事業を推進するとともに、県民からの要請が多い急傾斜地対策にスピード感をもって対応する。

〜道路関係費が例年よりやや増〜

 公共・県単独事業では、一般会計に870億5500万円を計上。道路橋梁・街路には347億1300万円を盛った。前年度比5%増となり、例年よりやや多い金額を確保した。河川海岸・港湾では、1・8%増の280億3000万円を配分する。
 特別会計では、県営住宅事業会計に0・6%増の203億1400万円を計上。藤沢大庭団地の建て替えなど11団地の工事に着手する。
 企業会計の流域下水道事業会計では、3・6%減の89億4600万円をかけ、相模川流域下水道右岸処理場などの耐震化や機械・電気設備の改築を行う。
 一般会計は5・3%増の2兆2158億2400万円、特別会計が1・6%増の2兆2833億9500万円、2・6%増の企業会計が1645億1300万円。全会計の総額は4兆6637億3300万円に上り、過去2番目の規模となる。2月12日に開会する県議会第1回定例会に予算案を提出する。

提供:建通新聞社