敦賀商工会議所、敦賀市、福井県で設立した「敦賀まちづくり協議会」の第4回会議がこのほど開かれ、「敦賀まちづくりアクションプログラム(案)」が承認され、3者が協力して、着実かつ効果的にまちづくりを進めることで合意した。
盛り込まれた主要プロジェクトは次の通り(ハードを中心に抜粋)。
◇歴史と文化を伝えるまちをつくる
▽氣比の杜整備構想の策定・推進
・旧敦賀北小学校跡地については、市民や観光客の知的好奇心を満たす文化機能を核に、地域コミュニティ活動の場となる公民館機能や、防災拠点としての機能などを有する複合施設を検討
・氣比神宮周辺については、武道館や旧税務署跡地(市有地)も構想策定対象エリアとして含め、武道館の移転も視野に氣比神宮周辺の駐車場としての整備をはじめ、エリア全体として効果的な土地利用となるよう検討
▽神楽通りの参道化
・大型車両などの通過交通量を抑制し、門前町らしい参拝客で賑わう道路空間を目指すため、市道の4車線を2車線に整備するとともに、2車線化に伴い、新たに創出される空間を活用して、アートあふれる座り場などストリートファニチャーを整備
◇多様な賑わいが生まれるまちをつくる
▽新たなプレーヤーの誘致
・多くの若者が地域に関わることができるよう、中心市街地の幹線道路沿いや裏通りに所在する空きビルのリノベーションを行い、まちづくりのプレーヤーとなる学生向けのシェアハウスや商店街等によるコワーキングスペースの整備を推進
・敦賀駅西口の駅前広場北側エリアの土地所有者及び利用者への調査を実施し、活用方法などを模索
▽商工会議所機能の拡充
・敦賀商工会館は建て替えに伴う移転を含めて検討し、移転する場合には、市民ニーズに対応し、かつ市民サービス向上が図られるよう、立地場所や適切な規模・機能に関する調査・検討を実施
・新たな商工会館は、北前船の交易により、敦賀が商業の町として栄え、昆布の手すき加工にみられる現在の産業や食文化の礎にもなったことを踏まえ、北前船を基軸とした敦賀の産業・文化の情報発信の拠点となるような整備を検討
・商工会館を移転した場合の会館跡地は、氣比神宮の近くに位置する立地条件を活かし、中心市街地の活性化に資する利活用策などを検討
▽各商店街の特色を活かした商店街の活性化
・敦賀駅から博物館通りまでの商店街において、アーケード照明のLED化や防犯カメラの設置など、安心してまち歩きを楽しめる環境を整備
・緑あふれる景観づくり及び低炭素社会の実現に向け、本町通りアーケードに沿ってグリーンカーテンを設置
◇駅とまちの往来で人があふれるまちをつくる
▽駅から観光地、まちなかへの誘導
・まちなかの周遊を促すため、商店街の空き店舗を活用し、駅利用者や駅周辺のホテル宿泊者が利用できるラウンジを整備
・氣比神宮周辺におけるトイレの充実を図るため、清潔感があり、まちなかと一体感のあるデザイン性に優れた公共トイレを整備
・中心市街地の魅力向上及び活性化を図るため、空き店舗を活用して、アートを通じた人と人とのコミュニケーションが生まれるアート交流スペースを整備
▽駅周辺の交通環境の向上
・駅東西を結ぶ最短ルートとなり、また中心市街地を環状する敦賀第2環状道路の整備推進
◇国内外から訪れたくなるまちをつくる
▽金ヶ崎エリアの整備
・民間活力を導入し、アッパークラスの宿泊施設や洗練されたレストラン、物販施設などが一体となった賑わい施設を整備
・鉄道貨物の廃線敷や転車台など鉄道遺産を活用した公園を整備し、多くの人々に親しまれる空間を創出
・金ヶ崎周辺エリアに駐車場を整備することにより、様々なイベントや行事に訪れる市民、県民や観光客の受入環境を整備
・旧敦賀港線の廃線敷について、ワークショップなどを開催し、まちなかの商店街と金ヶ崎エリアを結ぶ周遊空間として、利活用計画を策定し、整備を推進
なお、氣比の杜整備構想策定・推進のうち、文化機能を核とする複合施設の整備については、実施主体は市とし、25年度には基本調査などを実施するとしている。