秋田市上下水道局は、7年度当初予算に浸水対策下水道事業費20億7,650万円を計上した。浸水被害の軽減を図るため、「水災害対策プロジェクト」に基づく浸水対策を行うとともに、計画的に雨水管などを整備する。7年度は延長計483mの管渠布設やポンプ施設の増設・新設を行う。また、中通・南通・楢山地区に敷設する雨水幹線の工事に係る建物調査や、広面地区の雨水貯留施設新設に向けた基本設計、土質調査なども実施する予定。
7年度に予定している工事のうち、管渠布設は広面、川尻総社町、手形からみでんの延長計483m。排水ポンプ施設の整備では、明田雨水排水ポンプ場の増設(76㎥/分・1台)や田五郎ポンプ施設(仮)(60㎥/分・1台)、広面地区の1台、手形からみでん地区の1台を新設する。
業務では、中通・南通・楢山地区の雨水幹線敷設や広面地区の雨水貯留施設新設に向けた設計や調査を行う。
中通・南通・楢山の雨水幹線は、本線で延長2,115.6m、枝線で1,171.5mを敷設するもの。今年度は路線測量や用地測量を委託しており、7年度は建物事前調査を委託する予定。早ければ8年度に着工し、10年度の完了を目指す。
広面地区の雨水貯留施設新設は、雨水幹線の排水能力を超える大雨が降った際、雨水を一時的に貯留できる雨水貯留施設(貯留槽)を新設し、同地区の浸水被害解消を図るもの。今年度は整備に向けた検討を進め、設置想定箇所を基幹災害拠点病院の秋田大学医学部附属病院周辺としている。7年度は検討結果をもとに、基本設計や土質調査を委託する予定。早ければ8年度に詳細設計をまとめ、9年度に着工する。
また、7年度は新屋地区、卸町地区の浸水被害軽減計画作成、土崎地区、将軍野地区、山王地区、新屋地区の内水浸水想定区域図作成なども行う予定。内水浸水想定区域図の作成は、7年度ですべて完了となる見込み。
このほか、当初予算案には古川流域の浸水対策下水道事業として54億9,150万円を計上した。古川雨水排水ポンプ場の整備(3カ年継続費〔5〜7年度〕92億円)に充てる予定。7年度は潟中町ポンプ(仁井田潟中町)関連の工事を行う。水中排水ポンプの設置(0.067㎥/秒・1台)や、延長684mの雨水管敷設(φ450)を発注する見通し。なお、実施設計は今年度、三木設計事務所でまとめた。
提供/秋田建設工業新聞