京都府警察本部は、京都市左京区の下鴨警察署と川端警察署を統合再編、下鴨警察署敷地に左京警察署(仮称)を建設する。令和7年度当初予算案に左京警察署整備費5500万円を計上するとともに、債務負担行為に限度額6200万円を設定。基本計画の策定などに着手する。
府警は平成16年12月に策定した「警察署等の再編整備実施計画」に基づき、31警察署を25警察署に再編しており、警察署の統合を必要とする再編は左京警察署を残すのみ。
変化の著しい社会情勢に対応するため、組織の態勢や業務運営の在り方を抜本的に見直し、組織全体の最適化を図ることが喫緊の課題となっていることから、新庁舎の完成を待たず2警察署の統合を早め再編することで人的リソースを捻出、現場活動の強化や新たな治安事象への対応に再配分する。
再編時期は令和8年春を予定しており、下鴨警察署を「左京警察署本庁舎」、川端警察署を「左京警察署分庁舎」とする2庁舎体制で運用することを予定している。
令和6年度は左京警察署建設計画費400万円を確保。新庁舎の建設に向けた各種調査を実施している。
令和7年度当初予算案には債務負担行為を含め合計1億1700万円を計上。左京警察署の庁舎整備に係る基本計画の策定のほか、境界確定、左京警察署再編に向けたシステム改修等に充てる。また仮庁舎建設に向けた川端警察署の敷地整備も行う。
なお府警は令和6年10月に開催した地域住民との協議会の中で左京警察署について「新庁舎は建築基準の比較的厳しい場所に新築することになる。高層階建築は難しく、最高で4階建となる見込み。地下階は想定していない。現在は基本構想段階であり、具体的な庁舎設計はこれからの作業となる」「令和8年度での左京警察署発足時には、警察署機能のうち、いくつかの課や係が川端警察署庁舎に残る。また左京警察署新庁舎の建設時には、仮庁舎として警察署機能の全部を川端警察署に一時移転することを検討中。令和13年度以降予定の新庁舎完成後には、警察署の全機能が新庁舎に移転することになる。新庁舎への移転後の川端警察署の利活用方法は未定」などと説明した。
川端警察署(京都市左京区岡崎徳成町、敷地面積約3200u)の主な建物は、本館がRC造3階建、延1416u(昭和42年築/診断時最小Is値0・18、診断時最大Is値1・13)。既存建物の合計は1760・29u。
下鴨警察署(京都市左京区田中馬場町、敷地面積約3100u)は、本館がRC造3階建、延1562u(昭和43年築/診断時最小Is値0・21、診断時最大Is値2・61)。
川端警察署を巡っては、令和6年2月議会の予算特別委員会(警察本部書面審査)で質疑があり、府警は「川端警察署の庁舎については耐震性が不足しているため、左京警察署に統合されたら解体工事を行うことを予定。跡地の利活用については、地元住民の意見に十分耳を傾けつつ、左京警察署の新庁舎の整備とあわせて検討を進めていきたい」と方針を示した。
また令和6年2月の記者会見で2署の統合について、京都府の西脇隆俊知事は「下鴨警察署の場所に新たに左京警察署を整備するということでの検討になる。その際、京都市の養正市営住宅の再生も合わせて検討するということで府市連携していく」と説明した。