滋賀県農政水産部耕地課は、野洲市須原他で計画している野洲川下流主幹線地区の管水路更新について、今年秋頃からの工事着手を目指している。パイプラインの総延長は約1250b(DCIPφ2200)。基幹施設である集合管、主幹線水路の機能を保全するための更新整備を行うことにより、施設の維持管理の費用と労力の軽減および農業用水の安定供給を図り、農業生産性の維持および農業経営の安定に資する。
県営かんがい排水事業(土地改良事業)野洲川下流主幹線地区における整備は、主に現存の用水施設(パイプライン)の更新が対象となる。計画内容は▽主幹線水路(集合管)=開削:布設替(DCIPφ2200)管水路延長113b▽主幹線水路=開削:ルート変更新設(DCIPφ2200)管水路延長1137・1b(1104・6b+32・5b)―。市道堤湖岸線(野洲川揚水機場〜市道五条吉川湖岸線)の直下に埋設する。
附帯構造物は、主幹線分水工(弁室更新、配管更新〔L32・5b〕、電動バタフライ弁更新、空気弁更新、満水検知器更新、防食設備更新)、分水工(φ500分岐:弁室更新、バタフライ弁更新)、空気弁工(空気弁室新設、空気弁新設)、制水弁工(弁室新設、バタフライ弁新設、空気弁新設)、流量圧力計室(流量圧力計室更新、超音波流量計更新、圧力計更新)など。
既設管や主幹線分水工(主幹線分岐)は撤去する。既設管は▽主幹線水路(集合管)=SPφ2100×L113b▽主幹線水路=PCφ1500×L1104・6b×2(並列配管)―。幹線水路、支線水路や揚水機場は現況利用する。
総事業費(2022年度〔令和4年度〕単価)は37億3500万円を見込む。内訳は▽主要工事=37億0500万円▽附帯工事=3000万円―。
工事発注にあたり、工区分けするかなどの施工手順は、今後の実施設計で検討していく。29年度(令和11年度)の全体工事完了を予定している。
所管の県大津・南部農業農村振興事務所田園振興課は、県営かんがい排水事業野洲川下流主幹線地区の管水路の更新に係る実施設計に必要な測量業務の受託者として、1月17日開札の事後審査型一般競争入札により、オースギ(彦根市)を選定した。委託期間は契約締結日より5日以内の日から5月30日まで。
また、実施設計に必要な土質調査業務の受託者を、2月6日開札予定の事後審査型一般競争入札により選定する。履行期間は3月14日から7月14日まで。
実施設計業務の受託者については、2月14日開札予定の簡易型一般競争入札(総合評価方式〔業務特別簡易型U型〕)により選定する。履行期間は3月21日から9月19日まで。
野洲川下流主幹線地区は、野洲市、守山市に位置し、一級河川・野洲川の下流に広がる三角州であり、水稲を中心に小麦、大豆等を組み合わせた営農が展開されている。同地区は、琵琶湖を水源として野洲川揚水機場から取水し、管水路によって受益面積2068f(野洲市1583f+守山市485f)にかんがいしている。
同地区の施設は、かんがい排水事業(1970年〜87年〔昭和45年〜62年〕)により造成された後40年以上が経過して、施設の漏水事故も発生し劣化が著しい状況。また、性能低下の進行により施設の維持管理に多大な費用と労力を要するとともに、農業用水の安定供給に支障を来たしている。
提供:滋賀産業新聞