横浜市都市整備局は、新子安駅と守屋町・恵比須町方面(神奈川区)をつなぐ歩行者動線の改善策を検討する。「京浜臨海部再整備マスタープラン」の実現に向けた取り組みの一環。研究開発機能を持つ企業の集積が進み、地域のニーズや課題が変化してきたことを踏まえてエリア全体の環境整備について立地企業と協議して、2030年を目標にまちづくりに取り組みたい考えだ。
検討の対象は、JR・京急の新子安駅から臨海部の守屋町・恵比須町方面を通る神奈川産業道路の500〜600b区間を中心とした範囲。新子安駅からアクセスするためには、階段を上って高架を渡ったり、国道15号(第一京浜)を横断したりする必要がある。
このため、高低差の解消を含めたバリアフリー動線の確保や、街路樹の整備、歩道の拡幅などを含めた改善策を検討する。通勤者や来街者の快適な歩行空間を作るだけでなく、地区内の回遊性を高める狙い。
歩行者動線のイメージ案などを提案する業務をこのほどアジア共同設計コンサルタント(横浜市南区)に委託し、検討を開始した。履行期限は3月末。
「京浜臨海部再整備マスタープラン」(18年度改定)では、守屋町・恵比須町・宝町地区を「新子安ゲートアイランド」と称してまちづくりの将来像(エリアプラン)をまとめている。
同地区は大正〜昭和の埋め立て以降、化学や機械系の製造業が立地する地域として発展してきた歴史を持つ。近年では、こういった立地企業が時代の変化に合わせて土地利用を転換したり、新たな事業者が進出したりすることで、研究開発を主体とした機能の集積が進みつつある。
これに対応するため今後、まちづくりの方向性を立地企業と行政が一同に会す場を設けて協議したい考え。歩行者動線以外のニーズや課題を聞くとともに、目指す方向性をすり合わせる。
提供:建通新聞社