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建通新聞社(神奈川)
2025/01/31

【神奈川】横浜市 新大型図書館、来年度末に基本構想

 横浜市教育委員会は、新たな大型図書館の整備に向けた基本構想を2025年度末に策定する。策定支援業務の委託先を決める公募型プロポーザル方式の手続きを1月30日に開始した。建設地を絞り込むとともに、必要な機能やサービス内容を決め、最適な事業手法を比較検討する。
 24年12月にまとめた「市立図書館再整備の方向性」によると、新しい大型図書館の規模は延べ床面積1万〜2万平方b程度を想定。中央図書館(西区)の機能を補完する施設として、蔵書を拡充するだけでなく、市内の各図書館や取り次ぎ拠点に図書を集荷・配送するための物流スペースも整備したい考え。
 電子書籍や動画をはじめとする多様なメディアの提供も検討。VR(仮想現実)のようなデジタル技術を利用した体験・交流型のコンテンツなど、図書以外の機能の導入も視野に入れている。
 基本構想の中で、必要な諸室とその規模、提供するサービス内容、空間デザインのコンセプトなどを決定。建設地については、市内からのアクセス性と物流拠点としての適性が高い複数の敷地を比較して、まちづくりの観点や建築条件などから絞り込む。
 事業手法については、事業効率性と財政負担、スケジュールといった視点で比較。施設整備と管理運営に関する概算事業費も算出する。
 25年度後半に原案を公表して市民意見を募集する予定。その内容を反映し、3月をめどに基本構想をまとめる。
 プロポーザルへの参加意向申出書の提出は2月10日まで。3月7日まで提案書を受け付けて、4月上旬に受託候補者を特定する。履行期限は26年3月31日。
 概算業務価格の上限は税込み約4300万円。
 

 =港北図書館も建て替えへ=
 
 教育委員会は、市立図書館のうち築年数が最も古い港北図書館についても建て替えの検討を開始する。
 1960年に完成した旧区役所庁舎(港北区菊名6ノ18ノ10)を利用して運営している施設で、鉄筋コンクリート造3階建て延べ2121平方bのうち、1〜2階が図書館、3階には地区センターが入居中だ。
 建て替えに当たっては、周辺にある他の公共施設と複合化などが可能か検討する。市内では、老朽化した豊岡小学校(鶴見区)の建て替えを契機に、鶴見図書館をはじめとした周辺施設を複合化する「豊岡町複合施設再編整備事業」が進んでいる事例がある。
 1月27日に発表した2025年度の予算案に調査・検討費用として1500万円を計上した。

提供:建通新聞社