熊本県は、半導体関連産業の集積に伴いセミコンテクノパーク周辺で計画している特定公共下水道事業で、合志市と菊陽町を跨ぐ土地を新処理場の候補地に選定した。熊本市北区弓削付近まで管路を整備し、白川に放流する計画。26〜28日に菊陽町、合志市、熊本市で開いた都市計画素案説明会で住民に示した。
セミコンテクノパークの工場排水は現在、JASM第1工場も含め熊本北部流域下水道が受け入れている。だが、東隣のJASM第2工場や合志市のソニー新工場の計画が発表されるなど、将来的に容量不足が予想される。このため、熊本セミコン特定公共下水道として新たに処理場と管路を整備する。
処理区域は、菊陽町のJASM第2工場(31・6f)と、合志市のソニー新工場(36・3f)の敷地。JASM南側で、菊陽町が工業団地を計画しており、更なる拡大も予想されるという。
処理場は、1日あたり2万3000立方bの処理能力を想定。候補地は、「処理区域よりも標高が低い」「浸水想定区域に含まれない」「家屋に近接していない」などを総合的に評価し、大津植木線と大津西合志線に挟まれた11・5fに決めた。敷地内南側の山を切土し、その土砂で北側農地等を造成する計画。雨庭や浸透型調整池を整備し、地下水涵養に努める。
放流先は、日向川(菊池川水系)、堀川(坪井川水系)、白川(白川水系)の中から、洪水時、平常時とも放流量による影響が小さい白川を選んだ。吐口は、計画流下能力が大きいみらい大橋より下流から、地形、経済性、維持管理性を考慮し、JR武蔵塚駅の南に位置する吉原橋付近とする。
放流渠は、地形条件や維持管理面を考慮し、新山原水線、菊陽町図書館前から、熊本菊陽線を熊本市方面に向かい、吉原橋付近で白川に排水するルートを計画した。総延長7・1`。すべて道路下に管を埋設する方針。
県は、2月上旬にも都市計画案の縦覧を実施し、都市計画審議会を経て3月末までに計画決定したい考え。並行して用地交渉や調査・測量・設計を進め、2025年度末頃の着工を目指している。
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