北陸地方整備局は、能登半島地震の応急復旧が完了したのと里山海道・能登大橋(穴水町宇留地)について、今後の本格復旧に備え、迂回(うかい)路となる橋の新設に着手している。これまでに橋脚の初弾工事を発注済みで、3月に世界貿易機関(WTO)の政府調達協定対象となる第2弾の橋脚工事の一般競争入札が公告される見通し。
能登大橋(橋長430メートル)は5径間で、PC箱桁とポストテンション方式T桁の複合構造。地震により橋台の背面部が約90センチ崩落したほか、橋桁を支える部材「支承」本体や橋座コンクリート、変位制限装置定着部などが損傷した。1車線分しか通行できない状態となっていたが、北陸地方整備局が道路管理者である石川県から権限を代行して応急復旧を進め、昨年9月に対面通行が再開している。
同局は応急措置として既設橋の山側用地を活用し、迂回路橋を架設することに決め、昨年11月にRC橋脚を施工するWTO案件「R6能越道穴水越の原橋梁復旧その1工事」を先行発注した。三井住友建設・姥浦建設地域維持型建設共同企業体(JV)が12億8412万円で落札した。工期は12月19日まで。
穴水側の橋台1基が対象となる「その2工事」に関しては1月に公告済みで、2月26日に開札が行われる。工期は2026年3月31日まで。WTO案件の「その3工事」が橋脚を新設する内容で、3月の公告、新年度第2四半期の入札を予定する。工期は約19カ月。
今年度補正予算には能登大橋の迂回路橋や国道249号など権限代行区間の災害復旧事業費として、22億円が配分された。
既設の能登大橋は迂回路橋の完成後に本復旧の方針が検討される。