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北陸工業新聞社
2025/01/29

【石川】開館当初の意匠復元へ/谷口親子共同作品玉川図書館改修/7月から1年半掛け工事実施/金沢市議会文教委

 金沢市議会文教消防常任委員会が28日開かれ、市側は設計者・谷口吉生氏(昨年12月16日逝去/谷口建築設計研究所)の協力を得て、完了させた「玉川図書館改修工事(現代建築レガシー)」にかかる実施設計の概要を報告した。開館当初の意匠を復元するなど、7月から工事に取り掛かる。
 玉川図書館(玉川町2番20号)は、世界的建築家の吉生氏と、父の故吉郎氏との唯一の親子共同作品。本館はRC造一部S造地下1階地上2階建て、併設の近世史料館(旧別館〈元専売公社金沢工場の建物〉)は煉瓦組積・RC補強2階建て、総延べ床面積6337・43平方メートル。1978(昭和53)年11月に竣工、79年4月に開館した。本館部分の大規模な改修は開館以来初めて。
 主な改修内容は、建築レガシーの継承(開館当初の意匠復元)として外壁の金属パネル再塗装に加え、内装修繕、案内サインの再整備、中庭の改修(出入口機能の回復、造形家・伊藤隆道氏による「噴水」復元)など。図書館の機能向上では間取り変更(1、2階に分かれる閲覧場所を1階に集約)、出入口の自動扉化、トイレ洋式化など、施設長寿命化として館内照明のLED化や、駆体補強、屋根改修、設備配管改修などを施す。
 同館は6月末から休館となり、7月から約1年半を掛けて改修工事を実施。休館中は中央公民館長町館の一部を活用して臨時図書室を開設する。

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