東松山市は新ごみ処理施設整備について、施設整備費を計約231億円、20年間の施設運営費として約159億円を試算したことを明らかにした。第3回検討委員会で示されたもので、プラントメーカーのヒアリング結果から想定される事業費などを算出。施設整備費の内訳は可燃ごみ処理施設に約171億円、不燃・資源ごみ処理施設に約60億円としている。3月に第4回検討委員会を開催し引き続き概算事業費検討を行う方針。
概算見積もりの依頼については5社から提案があったとしている。
加えて、ヒアリング時に可燃ごみの処理方式はストーカ式焼却炉を採用する方針や、可燃ごみ処理施設の余熱利用先は温水プールなどを設けることは事業費の大幅増加となるとみており、エネルギー活用方法は発電に充てる方向性を説明した。
なお、委員会では建築物価の高騰や国の交付金の上限額設定の適用など、整備検討における状況や変化についても示した。委員からは施設整備やごみの処分の民間委託の可能性なども示されている。こういった面も含めて概算事業費の審議を継続して行っていく。
また、今回は環境保全目標の考え方や多面的価値創造に関する検討も話し合われた。
環境保全目標としては、立地場所や処理方式などにより適用される法令基準の遵守や上乗せ基準などの設定などは建設候補地として選定された地元との協議で決定すること。生態系の多様性など自然環境の体系的な保全は立地場所や処理方式によって与える影響が異なるため、建設候補地選定後に基本計画(基本設計)を作成する段階で検討を行うことを盛り込む方向。
多面的価値創造に関する検討の面では、エネルギー利用計画は発電、災害対策は避難スペース確保など、環境教育・学習機能として学習会議室の設置などの想定を説明。コンパクトな施設整備を進める方針で、具体的な内容は施設整備の基本計画以降で検討を進めるイメージ。
今後の想定スケジュールとしては、現段階で2025年度に候補地選定や循環型社会形成推進地域計画策定を見通す。続けて、26年度に用地交渉や取得、測量地質調査、環境影響評価、都市計画決定、基本計画策定・事業者選定の着手を目指す。さらに、29年度に設計建築の着手を予定し、34年度の供用開始をイメージしている。
提供:埼玉建設新聞