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建通新聞社(中部)
2025/01/27

【愛知】建設業 7割近くが「採用できていない」

 名古屋市経済局が市内中小企業に調査したところ、直近1年程度で求人・採用活動を行った建設企業の7割近くが「あまり採用できていない」または「全く採用できていない」と回答した。他産業とは10ポイント以上の差が生じている。人材を確保するため、給与・賞与を引き上げた企業は45・5%、自社WebサイトなどPRの強化に取り組んでいる企業は36・4%ある。市が年2回実施している景況調査(2024年下期調査)で聞いた。
 採用について、「十分採用できている」と回答した企業は、採用活動を行った企業のうち4・5%しかなかった。「ある程度採用できている」(同27・3%)を加えても、3割程度(31・8%)の企業しか採用が思うようにできていない。
 一方、「あまり採用できなかった」企業は3分の1超(36・4%)、「全く採用できていない」企業は3割超(31・8%)だった。採用活動を行った企業の68・2%で十分な採用ができていない。
 他業種で採用活動を行った企業は、製造業で5割超、卸売業とサービス業で4割超(卸売業は46・5%、サービス業は44・2%)が、ある程度採用できていると回答。建設業と他産業とは10ポイント以上の開きがあることになる。
 人材確保のための取り組みは、小売業を除いた全業種で「給料・賞与等の引き上げ」が最も多かった。給料を引き上げたと答えた割合は、製造業で49・5%、卸売業で46・6%、サービス業で52・9%ある。
 建設業で過去1年間に賃上げを実施した企業の割合は53・9%あるが、製造業(56・7%の企業が賃上げ)や卸売業(同56・5%)でも賃上げの動きが活発なのには注意を払う必要があるだろう。
 人材確保の取り組みで建設業は、給料の引き上げの他、ホームページ等のPRの強化を挙げている(回答上位3位目は「特に実施しているものはない(27・3%))。
 他業種では、女性や高齢者、外国人など多様な人材の活躍促進(製造業の取り組みで同率2位)、採用条件の緩和(小売業で同率2位、サービス業で3位)が上位にきている。
 建設業は他産業に比べ高齢者が多く、資格が必要な職業であるため他産業と直接的な比較は難しいが、入社後教育の充実や誰もが働きやすい環境づくりは一つの要素になるかもしれない。


提供:建通新聞社