神奈川県が2024年度上半期に公告した工事の競争入札は1050件で、このうち94件で不調が発生した。発注件数全体に占める不調の割合(不調率)は8・9%で、前年同期と比べて23件、2ポイント増加した。契約に至った工事は956件で、平均落札率は94%。23年度上半期と比較して変化はなかった。建通新聞が独自に調査した。
不調率を工事種別に見ると、消防施設の9件中7件77・7%(前年同期比77・7ポイント増)が最も高かった。消防施設では2回連続で不調となった工事が3件あったことが不調率上昇の主な要因。
次いで不調が多かったのが空調・衛生(管)で、51件中20件の39・2%(同26・5ポイント増)。工事案件としては17件で、このうち6件は再公告などによる落札、または随意契約で施工者を決定した。建築工事などの不落に伴う入札中止はなかった。
建築の24・1%(同4ポイント減)がこれに次ぎ、58件中14件で不調が発生した。工事案件としては13件で、このうち5件は再公告などによって落札、または随意契約を締結した。不調案件には「多摩警察署増築工事」があり、工種ごとに分割して発注した3回目の入札も11月に不調となっている。
最も不調率が低かったのは交通安全施設の1・3%(同0・2ポイント減)で、発生件数は73件中1件だった。
また、発注件数が最も多い土木は304件中10件で3・2%(同0・6ポイント増)、これに次ぐ上水道は170件中6件で3・5%(同0・9ポイント減)、電気は124件中13件で10・4%(同2・2ポイント減)と、不調が少ない傾向が続く。
24年度上半期に橋梁上部工の発注はなく、防水と下水道では不調が発生しなかった。入札不成立として取りやめが1件、中止が6件あった。
主要発注局別の不調の状況を見ると、県土整備局は469件中21件で4・4%、企業庁は286件中15件で5・2%、県警本部が82件中10件で12・1%、環境農政局は42件中7件で16・6%、教育局は12件中2件で16・6%だった。
提供:建通新聞社