松山市の一番町一丁目・歩行町一丁目地区市街地再開発準備組合(二神良昌理事長)は、昨年から手続きを進めていた市街地再開発の事業協力者公募について、5者から参加意向表明があったものの、5者全てが建設費の高騰などを理由に辞退していたことを明らかにした。同準備組合では今後、現計画の見直しも視野に入れ引き続き事業協力者の参加を求めていく考え。
1月21日に説明会があり、二神理事長らが経緯を説明した。二神理事長によると、昨年10月8日に事業協力者募集の公募を開始し、17日に募集説明会を開き、31日まで参加の申し込みを受け付けたが、この時点でデベロッパー5者から参加申し込みがあったという。しかしながら事業協力提案書の締め切りだった12月26日までに全者から辞退届が提出され、今回見送られることになったとした。
辞退の理由については、前回の計画時より5割増しとなっている大幅な建築費高騰を挙げ、現時点では事業の成立について確信ができないということが一番大きな理由ではないかとした。また一般業務代行者を決めた時に掲げていた外資系ホテルの誘致が、マネジメントコントラクト方式(MC方式)を前提とするため、事業協力者がホテルの所有と経営の面で不安を感じたのではないかとも分析した。
今回、事業協力者が決まらなかったことを受けて二神理事長は「再開発事業を継続する上で事業協力者の参加は必要」とし、「辞退者との継続協議を含め、事業協力をいただける候補者と協議などを行いたい」とした。また併せて「必要なら外資系ホテルの誘致も含め現計画を見直しするなどし、松山市をはじめ、関係各者にご協力をいただきながら事業を進めていく。できるだけ早く報告ができるように努力したい」とした。
同再開発の一般業務代行者はMPデベロップメント・浅井謙建築研究所共同企業体(東京都千代田区)。同企業体の担当者によると、今回の事業協力者公募が流れたことで、今後は早くても2026年度の実施設計着手向けて、事業協力者の決定も含め補助申請のための事業計画づくりを25年内には行うことになるとした。
一番町一丁目・歩行町一丁目地区は、国際ホテル松山跡地周辺約0・7fで計画している市街地再開発事業。一般業務代行者決定時には、高さ80b台のホテル棟と70b台のマンション棟で構成するツインタワーなどを計画。総事業費は200億〜300億円程度としていた。
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建通新聞社