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秋田建設工業新聞社
2025/01/23

【秋田】大雨災害受け悪土川など5河川で治水対策/輪中堤設置等に向けた設計など進む・山本地域振興局

 山本地域振興局建設部は、5年7月の大雨による家屋浸水などの被害を受け、悪土川(能代市松長布)、種梅川(能代市二ツ井町種ほか)、檜山川(能代市檜山)、塙川(八峰町峰浜塙)の4河川で輪中堤設置など対策に向けた河川設計を進めている。また、7戸の浸水被害があった鵜川川については、住宅密集地のため輪中堤の設置が困難なため、鵜川橋付近から上流約1,000mを対象に治水対策検討業務をアジア航測に委託。結果をもとに今後、対策や方針を詰めていく。

 悪土川では、築堤・護岸工などの河川改良が進んでいるが、5年7月の大雨では河川が氾濫し、能代市松長布地区で周囲の家屋に甚大な浸水被害が発生した。昨年3月には流域において国、県、能代市などが協働して集中的な対策を行う「悪土川水災害対策プロジェクト」が策定されている。

 5年7月と同規模の大雨に備え、輪中堤設置するため、配置の検討や排水施設、内水氾濫対策施設、道路の嵩上げなど付帯施設も含めた河川詳細設計を建設技術研究所で進めている。これまで進めてきた河川改良では、能代市の市道大内田長崎線の付替道路が4年度に完成。現道と高低差があるため、据付部の道路改良を来月13日に開札する。

 種梅川では、大雨により河岸や護岸の決壊、家屋浸水などが発生。家屋浸水は米代川に架かる種梅川橋(国道7号)より北側で発生した。上流から下流までの延長約9,000mのうち、家屋浸水があった区間は約6,000mで、輪中堤の設置を4カ所で検討している。河川詳細設計をオリエンタルコンサルタンツに委託している。種梅側の南側では護岸決壊も確認されており、設計では築堤護岸やパラペット護岸などの浸水防止策も検討する。

 檜山川では、護岸の決壊や家屋浸水(床上3戸、床下3戸)などが確認されている。同河川は能代市の檜山や扇田、鰄渕を通り米代川本川に合流する支川で、流路延長は11,620m。このうち檜山の母体地区2カ所(合計L670m)を対象に、東京建設コンサルタントが河川詳細設計を進めている。対象箇所周辺では、道路や田畑なども浸水しており、堤防、護岸、輪中堤といった対策を想定。設計では堤防法線等の見直しや護岸の配置などのほか、必要に応じて道路の嵩上げも検討する。

 塙川では、県道常盤峰浜線より上流にある横内地区で家屋浸水が発生。床上1戸、床下8戸の浸水被害があった。延長840mを対象に、輪中堤設置に向けた河川詳細設計を建設技術研究所で進めている。

提供/秋田建設工業新聞