滋賀県病院事業庁は、総合病院の施設整備事業を計画している。小児保健医療センターとの統合に係る移転集約の受入態勢を整えるもの。その初段である新館A・B棟におけるICU・HCUの再編に関する内部改修について今後、設計業務を進め、新年度の工事(工期:2025年9月〜26年3月)を想定している。予定工事費は6億5000万円(税込み)。
県立総合病院(守山市守山5丁目4―30)の従前の建物規模はSRC造一部S造・RC造、延7万2607・7平方b。今回の工事内容は▽新館A棟(SRC造地上12階・地下1階建)=7階のHCU・透析室・MEセンター等仮移転改修、3階の透析センター・MEセンター等改修▽新館B棟(SRC造地上9階・地下1階建)=3階のICU・HCU改修▽上記改修に伴う機械設備、電気設備改修―。
24年度「総合病院新館A・B棟内部改修その他設計業務」の受託者については、昨年12月5日開札の事後審査型一般競争入札により内藤建築事務所(京都市左京区)を選定。委託期間は契約締結日より5日以内の日から180日間。
県立病院のうち、総合病院は、市道古高川田線(くすの木通り)を挟み北西向かいの小児保健医療センター(守山市守山5丁目7―30)と、今年1月1日に組織統合。新たな「滋賀県立総合病院」としてスタートした。医療の充実と経営の安定化を図る。滋賀県立総合病院施設整備事業では、統合後、従前の総合病院の施設に、旧小児保健医療センターの病棟および手術機能等を集約するための施設整備・改修を行う。
同事業の抱える発注者体制の補完、病院業務の継続と複数工事間の調整、全体計画の策定等の課題へ対応する起案・助言業務の受託者について、公募型プロポーザルで日建設計コンストラクション・マネジメント(大阪市中央区)を選定。委託期間は3月31日まで。
総合病院施設整備事業に係る施設整備・改修の想定項目は次の通り(▼…24〜25年度に基本設計・実施設計を予定〔総合病院新館A・B棟内部改修その他設計業務〕)。
【新館A・B棟】
《9階》
▽9A・9B病棟改修=旧小児保健医療センターの病棟を移転集約するための改修
《7階》
▼HCU・MEセンター仮移転=ICU・HCU改修に伴う一般病棟への仮移転
《6階》
▽6A病棟改修(※5A病棟の可能性有り)=9A病棟を移転するための改修(眼科・耳鼻科・歯科診察室の移転等)
《4階》
▽医局改修=旧小児保健医療センターの医局を移転集約するための改修
《3階》
▼ICU・HCU改修=現HCU・MEセンターエリアでのICU・HCUの再編
▼透析センター・MEセンター改修=ICU・HCUの再編に伴い、現ICUエリアに設置
▽手術室増設=旧小児保健医療センターの手術室を移転集約するための増設(1室)
▽病理部資料室移転改修=病理部資料室エリアに手術室を増設するための移転[移転先未定]
《1階》
▽救急外来改修=小児患者の救急対応を実施するための拡張(CT室等の放射線部門の移設検討含む)
《地下1階》
▽厨房・調乳室改修=旧小児保健医療センターの厨房を移転集約するための改修
▽薬剤室改修=旧小児保健医療センターの薬局を移転集約するための改修
▽スタッフ更衣室改修=旧小児保健医療センターのスタッフ更衣室を移転集約するための改修
【西館】
《1階》
▽リハビリ室改修=旧小児保健医療センターのリハビリ室を移転集約するための改修
【屋外】
▽守山養護学校への通学路整備=通路屋根を設置(新館〜守山養護学校)
― ◇ ―
なお、病院の統合に伴い、建物の名称を変更。新館A・B棟は「本館」、西館は「別館」、旧小児保健医療センターは「こども棟」など。
提供:滋賀産業新聞