新潟県農地部農地計画課は、国府川左岸2期地区(佐渡市)における農業競争力強化農地整備事業(経営体育成基盤整備事業)に残事業費7億600万円を投じ、用水路整備などを推進、26年度の完了を目指す。進ちょく率は84・2%。
同地区は2級河川小倉川、竹田川、国府川流域に広がる平場農業地帯で水稲を基幹作物とする。農道の幅員が狭く、ほ場内の暗渠は機能低下による排水不良が生じており、大型農業機械の導入が進んでいない。また、用水路は築造後約50年が経過し、施設の経年劣化による漏水などで農業用水の確保に支障が生じ、維持管理に多大な労力を要している。本事業により農道・暗渠排水を整備し、農作物の生産性や作業効率を向上させるとともに、水利用や管理の効率化で担い手への農地集積を促進、地域の農業構造の改善を図る。
残事業の内容は、用水路32・7キロ(幹線パイプライン0・2キロ、支線パイプライン32・5キロ)、農道11・1キロ、暗渠排水251・3ヘクタール。住民らとの幹線パイプラインの施工に関する調整に時間を要するなどしたため、事業進ちょくに遅延が生じていたが、すでに95%が施工完了し、今後整備する支線パイプラインは施工速度が速いため、進ちょくは改善される見込みだという。
完了により水管理などの営農労力が軽減されるため、佐渡市の認証米制度「朱鷺と暮らす郷づくり」の要件である江の設置などの「生きものを育む農法」に取り組みやすくなるほか、農業者が営農期間中に離農した際に耕作を継承する地区内の農地調整組織「絆システム」での引き継ぎがしやすくなることなどが期待される。