上下水道施設に深刻な被害を及ぼした能登半島地震の教訓を踏まえ、国土交通省水管理・国土保全局では、能登地方6市町(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)をフィールドとする「R6補正上下水道一体革新的技術実証事業」に乗り出す。31日まで日本水工設計東京支社において事業者からの応募書類を受け付けている。
同事業は中山間地域において人口減少やインフラの老朽化が進む中、集落レベルで強靱かつ持続可能な上下水道を構築できる「分散型システム」について、実規模レベルの施設を設置して実証研究に取り組み、成果をとりまとめることが目的。実証事業上限額は3億円とする。履行期間は2026年3月31日まで。
参加資格要件は(1)大学等の研究機関(2)国または地方公共団体の研究機関(3)日本下水道事業団、研究を目的に持つ国立研究開発法人(4)研究を目的に持つ公益法人、一般社団法人、一般財団法人(5)民間研究機関(研究部門を保有している機関)(6)その他、特に上下水道審議官が委託研究を実施することが適当であると認めた法人又は個人で、能登地方6市町のいずれか(複数市町も可)の水道事業者(複数市町の場合には複数)を必ず含むことが求められる。審査には学識経験者などからなる委員会があたる。
能登半島地震では、揺れや地盤沈下により奥能登エリアの上下水道施設が長期間にわたって機能不全に陥った。分散型上下水道システムは、浄水場や下水処理場、長い管路が不要となるため、強靭かつコスト縮減が期待されている。