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建設経済新聞社
2025/01/21

【京都】公共施設マネジメント基本計画 施設別改修計画の策定など盛る

 京都市は20日、公共施設マネジメント基本計画(2025−2034)案を明らかにした。
 公共施設マネジメントは、市が保有する公共施設に係る現状と課題を分析し、効率的かつ効果的な維持管理による長寿命化や施設保有量の最適化など、保有する公共施設を資産として最適に維持管理し、有効活用する取組。第1期の現行計画(2015(平成27)〜2024(令和6)年度)が満了するため、計画を改定、第2期計画として定める。
 第2期計画は、2025(令和7)年度〜2034(令和16)年度の10年間。
 市の公共建築物のうち、築40〜60年のものが約半数、築20〜40年のものが約3割を占め、建設時期が集中していることから、今後、改修・更新のための財政負担の増大・集中が懸念される。これに加え、公共土木施設についても橋梁の約6割、トンネルの約4割が建設後50年を超えている等、老朽化が進行している状況。公営企業関連施設についても、今後、地下鉄施設や水道及び下水道施設が更新時期を迎えること等から、計画的な保全による長寿命化等の取組が求められると指摘。
 今後20年間を想定した機械的なシミュレーションによると、公共建築物の維持更新にかかる経費は800〜1200億円/年で推移することが見込まれる。ただし、このシミュレーションは「現在保有する全ての施設を将来にわたって適切に維持し続けること」「これまでも適切に維持してきた健全な状態であること」を前提にしたものであることから、これまで緊急性の低い改修等を後年度に先送りしてきた市においては、実際に必要となる経費がこのシミュレーションよりも上回ることが予想される。加えて、今後の物価変動等による更なる経費の増加も懸念されると分析。
 したがって、まずは施設ごとの改修計画の策定・更新を進める。改修計画に基づく予防保全への転換を図るとともに、改修計画によって把握した今後の維持更新経費の見込み等を踏まえ、ライフサイクルコストの縮減や全市的な改修経費・時期の平準化等を図るための長期的な方針を検討する。
 緊張感をもった財政運営が必要であるものの、保有量の削減のみによって経費削減・財源確保を図る必要性は低下していることから、第2期計画においては、保有量の削減目標は設定しない。
 設定する目標・重点取組としては、目標@公共資産・公共空間の活用(重点取組…地域に求められる政策ニーズとマッチした既存ストック活用プロジェクトの推進)、目標A管理運営手法の点検・改善(重点取組…施設の整備や運営への市民参加の拡充、運営の合理化)、目標B老朽化対策の着実な実施(重点取組…施設別改修計画の策定・更新、社会情勢の変化に応じた見直し)を掲げた。このほか、耐震化の推進、長寿命化の推進などに取り組む。