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日本工業経済新聞社(群馬)
2025/01/20

【群馬】県河川課が河床低下対策で工事計画

県河川課は、碓氷川の河床低下対策について、2025〜26年度に安中市松井田町新堀地区において床止工の設置を計画していることを明らかにした。谷止工は中河原橋の上流側と下流側に1基ずつ整備を予定。上流側から施工すると、下流における護岸基礎露出部の河床をさらに低下させることが懸念されることから下流側から施工する。20日に開催された第6回碓氷川河床低下対策検討部会で示したもの。
19年10月の台風19号により洪水が発生し、堤防の被災が発生した新堀地区では河床低下が進行しており、護岸等の損傷が懸念されている。対策箇所においては、河床低下・局所洗堀が進み、護岸基礎が露出している状況となっている。このことから護岸基礎露出範囲の縦断延長を踏まえ、縦断的に河床を回復させる必要があるため床止工を採用する。床止工の落差は魚類などの生息環境に配慮して1mに設定した。
床止工は対策箇所付近の河床勾配を踏まえ2基配置することが必要と判断。施工位置は護岸基礎が露出している下流において、直線区間、河道が狭い区間、局所洗堀が生じていない区間を基本に設定した。上流側に設置する床止工の右岸側は内岸砂州を有する区間となり、内岸砂州には床止工を設置しない方針。このことから右岸側の床止工幅は河道幅を縮小し、高水敷保護工を設置する。
下流側に整備する床止工は幅39・4m、高さ0・5mの本体・水叩きのコンクリート一体構造で整備を計画。表面構造は碓氷川の景観となじむように植石とし、魚道構造については全方向対応の傾斜式となる。
上流側に設置する谷止工は幅50m、高さ1mの本体・水叩きのコンクリート一体構造となり、表面構造は碓氷川の景観となじむように植石を採用する。魚道構造は全方向対応の傾斜式となる。
床止工施工時に発生した掘削土や内岸砂州に堆積している現地材料は、床止工付近の敷き均しや埋め戻しで使用する。また、護岸基礎が露出している左岸側や上流側に整備する床止工と下流河道のすり付け区間においては、内岸砂州等にある粒径300〜500o程度の巨礫を利用して、捨石工を実施する。
18年に開かれた河床低下対策検討部会で示され、既に対策工を実施した人見地区と今回対策工を計画するを除いた7地区の対策優先度と対策案は◇原市地区(烏川との合流点から上流へ10・8q)=優先度C、床止工◇磯部地区(同14・7q)=優先度B、床止工またはネット工+置き土工◇松井田町八城地先@(同21・7q)=優先度B、沈床工(置換工含む)+置き土工◇松井田町八城地先A(同22・3〜22・6q)=優先度B、沈床工(置換工含む)+置き土工◇松井田町五料瀧名田(同23・9q)=優先度B、床止工+置き土工◇松井田町五料石ノ久保(同24・3q)=優先度C、床止工または水制工、置き土工◇松井田町横川小山沢〜松井田町横川久保(同26・9〜27・2q)=優先度C、床止工または水制工、置き土工−となる。
なお、人見地区では安中市道橋の碓氷大橋下流側で行う2基の床止工整備を発注。工事は22年度、23年度ともに小板橋建設(安中市)が受注した。