愛媛県は、「頓田川水系(今治市)」と「大谷川水系(伊予市、松前町)」の河川整備計画基本方針(原案)と「川茂川水系(四国中央市)」の河川整備計画(原案)を12月開催の河川整備計画専門委員会(会長・鈴木幸一愛媛大学名誉教授)で示した。委員の意見を踏まえ、県は所定の手続きに従い各河川整備基本方針案、河川整備計画案の取りまとめを急ぐとともに、国土交通省へ提出する考えだ。
河川の整備の基本となるべき事項などを定めた河川整備基本方針をまとめる頓田川水系は幹川流路延長9・7`、流域面積39・9平方`。50年に一度の割合で発生する洪水流量を基準地点「国分橋」(河口から2・17`)における基本高水のピーク量(毎秒470立方b)に設定。計画高水流量を安全に流下させる計画河道の水位(計画高水位)を東京湾中等潮位(T.P.)+10・58b、川幅49・4bとした。
また大谷川水系は幹川流路延長10・2`、流域面積16・2平方`。30年に一度の割合で発生する洪水流量を基準地点「下三谷」(河口から1・25`)における基本高水のピーク量(毎秒190立方b)に設定。計画高水流量を安全に流下させる計画河道の水位(計画高水位)をT.P.+3・33b、川幅23・5bとした。
一方、河川整備の目標と実施に関する事項などを定めた河川整備計画を取りまとめる川茂川水系は、幹川流路延長3・0`、流域面積2・1平方`。計画策定年度からおおむね30年間における洪水、津波、高潮などによる災害の発生の防止または軽減を目標とした整備計画を策定する。
計画では、本川の川茂川で年超過確率10年に一度規模の洪水(流量毎秒20立方b)を基準地点「加中橋」におけるピーク流量に設定。河口から0・67`ポストまでは河床掘削や護岸工整備、0・92`ポストまでは築堤も施す。9・25`ポストから1・11`ポストでは河道付け替えなどを行い、1・28`ポストまでは河床掘削や護岸工を施す。区間内には橋梁が15カ所あり、必要に応じて架け替えなども施すことにしている。
なお、河川整備計画の推進に当たっては流域治水を視野に入れた「流域治水プロジェクト」と整合性を持たせながら被害の軽減に努めるなど、防災・減災対策に取り組むことにしている。
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建通新聞社