葉山町は、小中学校の一体化に向け、施設分離型の小中一貫教育をスタートする。2025年4月に「南郷中学校、長柄小学校」、26年4月に「葉山中学校、葉山小学校、上山口小学校、一色小学校」で開始する。7〜10年のうちに、それぞれ小中一体型校舎を建設する計画。日本設計(東京都港区)が学校整備基本構想・基本計画策定支援を進めており、25年1〜2月にパブリック・コメントを実施し、年度末から25年4月をめどに同基本構想・基本計画を公表する予定だ。
町は、教育内容や教育体制を重視した小中9年間の義務教育を行うため、施設は既存のままで施設分離型の小中一貫教育をスタートする。これに並行して、施設一体型の教育を実現するための準備を進める。
施設一体型では、「南郷中学校、長柄小学校」で長柄小学校の敷地に新たな校舎を建設する予定。「葉山中学校、葉山小学校、上山口小学校、一色小学校」については、葉山小学校が新校舎の建設候補地となっている。上山口小学校は距離が離れているため、既存の場所での教育を基本としつつ、通学上の課題などを検討していく。
基本構想・基本計画では、既存施設の基礎データを整理・分析し、児童・生徒数の将来想定を踏まえた新設校舎候補地の建築可能性調査などを実施し、施設規模や整備時期を検討する。加えて、小中一体校舎の建設に向け必要となる土留め範囲や切土、盛土から配置、仮設、概算事業費などを盛り込んだ学校整備基本計画を策定する。
町が示した「学校の再整備に向けて」と題した議会説明資料では、1校当たりの整備費を50億円と想定しているが、近年の建設費高騰を反映させて事業費を再度算出する考え。事業者選定については、プロポーザル方式による設計・施工一括の他、通常の発注方式も含め検討していく。7〜10年で小中一体校舎の供用開始を目指す。
新たな校舎は、小中義務教育を9年一貫して考えるという方針に基づき、複数棟ではなく小中一体化した1棟とするもよう。建て替え工事の際の仮設校舎は、中学校の敷地を活用する可能性が高い。
25年度は、民間活力の導入可能性調査を実施する計画。PFIなどを採用しながら、新たな校舎内に学童保育施設など町民の利便性に寄与する施設の整備が可能か調べる。
所在地は葉山中が堀内2247ノ2、葉山小が堀内2050ノ1、一色小が一色1060、南郷中が長柄1835、長柄小が長柄130。上山口小は上山口158。
提供:建通新聞社