県教育庁は、新県立図書館等複合施設の整備を計画している。2025年度当初予算案で、建設工事などに29年度までを期間とする総額319億9824万5000円の5か年継続費を設定している。建設工事については25年度に一般競争入札を公告し、早ければ同年度内の議会において契約承認を受ける。28年度まで施工し、28〜29年度の資料など移転、29年度の家具・什器備品など購入を経て、29年度中に開館に至る想定となっている。
継続費の年割額および事業内容は▽25年度=3254万円、上水道負担金・家屋事前調査・工作物移設▽26年度=14億5259万3000円、建設工事▽27年度=51億4227万4000円、建設工事▽28年度=246億9380万3000円、建設工事・資料など移転▽29年度=6億7703万5000円、資料など移転・家具および什器備品など購入。
25年度当初予算案には、継続費のほか、家屋事前調査1218万8000円、建築に伴う上水道負担金1419万円、安全柵設置および保守管理100万円・債務負担行為200万円を措置。
県立図書館3館(中央図書館、西部図書館、東部図書館)と文書館を集約した複合施設を、千葉市中央区青葉町にある青葉の森公園内の約1・85haに建設する。
基本理念の「文化情報資源の集積と活用を通じて、知の創造と循環を生み出し、光り輝く千葉県の実現に貢献する」の具現化に向け、県の新たな知の拠点にふさわしい施設を整備する。
建物はRC造一部S造(ラーメン構造、免震構造)、地上3階・塔屋1階建て、延べ床面積1万9000u程度、直接基礎の計画。
約270万冊を保存できる収蔵能力を確保するとともに、自動化書庫などを設置し、効率的な管理を実施する。
平面計画は▽1階=公園と一体化したエントランスを起点に配置された研修室や展示室などと、乳幼児連れや障害のある利用者などが利用しやすいアクセスの良い空間▽2階=一般資料ゾーン、千葉県資料ゾーン、公文書・古文書ゾーンを配置し、知識の集積と新たな知を創造するメインフロア▽3階=南側に広がる四季折々の公園の景観を享受できる多様な閲覧スペースと保存に特化した北側エリア。
基本設計と実施設計は、日本設計が担当。実施設計については3月14日までに取りまとめる予定。
中央図書館は千葉市中央区市場町11―1に所在し、老朽化と耐震性能不足が問題となっている。また、千葉市中央区中央4―15―7にある文書館は、特に湿度・温度管理設備の老朽化が進行している。跡地や建物の取り扱いについて、具体的な検討をこれから進めていく。
松戸市千駄堀657―7の西部図書館と、旭市ハの349の東部図書館の建物および土地については、地元(松戸市、旭市)への移譲に向けて調整を行っている。