秋田市上下水道局は、鹿島・水ingエンジニアリング・日本電機興業・日水コングループで新浄水場を建設中の仁井田浄水場等整備事業に関し、豊岩浄水場から豊岩配水場に送水する送水管(L450m)、新仁井田浄水場の太陽光発電設備設置、同浄水場場内の倉庫・車庫新築、場内整備(舗装)を8年度から9年度にかけて順次、発注する予定。10年度以降は既存浄水場の取水・導水施設、15年度以降は既存処理施設(建物含む)を撤去する予定。
秋田市給水量の約8割を担う仁井田浄水場(仁井田新中島221−2ほか)は、昭和30年代〜50年代にかけて築造され、老朽化が進んでいる。部分修繕だけでは将来にわたる安定した継続が困難となっているほか、耐震性能の不足、雄物川の濁度上昇・停電など非常時の対応能力も不足しているため、全面更新事業として整備を進めている。
更新のコンセプトには◇安全(夏場のカビ臭・濁度上昇への対応、確実な水質管理が行える、豊岩浄水場との相互監視が可能な施設)◇強靭(洪水でも浸水しない、地震に強い、液状化でも壊れない、長時間停電時でも運転できる、停電・断水時にも貯蓄した飲み水を活用できる、災害時にも早期復旧できる施設)◇持続(環境にやさしい、再生可能エネルギーを活用、維持管理しやすい、見学しやすい施設)―を掲げている。
更新後の施設は急速ろ過方式で、計画一日最大給水量は65,300㎥。能力に余力のある雄物川対岸の豊岩浄水場(豊岩豊巻字上野164)を改造してフル活用し、35,800㎥/日を処理するほか、豊岩取水場(豊岩豊巻字下川原161−7)の自家発電装置を改造してフル稼働させる。これにより新仁井田浄水場のダウンサイジングが可能となり、事業費の縮減が図られる。
メインとなるプラントの工事(豊岩浄水場・取水場改良含む)は設計・施工一括発注(DB方式)で鹿島・水ingエンジニアリング・日本電機興業・日水コングループに発注。別途、発注する工事では、仁井田浄水場に水を引き込むための導水施設および取水施設を戸田・加賀屋建設工事JV、脱水汚泥保管棟の新築を加藤建設(恵)、同棟隣接に整備するストックヤードを住建トレーディングに発注している。
豊岩浄水場では仁井田と同様、粉末活性炭処理を行うため、粉末活性炭棟建設(S2F149.28u)の債務負担行為1億円を昨年11月の補正予算で設定。来月中旬をめどに公告する。
7年度は新たな工事発注がなく、8年度から豊岩浄水場・豊岩配水場間の送水管布設(L450m)、新仁井田浄水場の太陽光発電設備設置、同浄水場場内の倉庫・車庫新築、場内整備(舗装)を実施。継続して進める新浄水場の工事は10年3月に完了する予定。その後、既存の取水・導水施設を10年度以降、処理施設(建屋含む)を15年度以降に撤去する。
提供:
秋田建設工業新聞社